O型
読み:オウ-がた
外語:blood type O

 ABO式血液型における表現型の一つ。
目次

概要
 両親からの血液型遺伝子がOOホモの場合、表現型はO型となる。
 日本人ではA型に次ぎ優勢で、人口比でおよそ30%がO型であるとされる。その一方でアフリカやアメリカなどでは圧倒的にO型が多く、世界平均では最も多い血液型である。

特徴

糖鎖構造
 赤血球抗原を持たず、血清抗体として抗A抗体と抗B抗体を持つ。
 O型の本型の赤血球は通常、血球1細胞から約170万本の糖鎖が伸び、末端にH抗原があるが、前述の通りこの糖鎖の先端には一つもA抗原やB抗原が付いていない。よって全てがH抗原(O抗原)である。
 

遺伝子構造
 O遺伝子は9番染色体の長腕(9q34)位置にあり、二対ある遺伝子のうちの双方がO遺伝子となっている。
 
 A遺伝子やB遺伝子は共に354個のアミノ酸からなる転移酵素をコードしている。
 A遺伝子とB遺伝子はコドンの176、235、266、268番目が異なっており、その結果4個のアミノ酸がそれぞれの転移酵素で異なる。
 その一方、O遺伝子のcDNAの塩基配列はA遺伝子と類似するが、88番目のコドンのG塩基が欠失しているためフレームシフト突然変異となり、全く異なるアミノ酸配列による別の蛋白質が産生される。この蛋白質には転移酵素の活性はない。よってH抗原に糖が付加されないためO型となる。
 また更に、O遺伝子のcDNAの塩基配列の研究が進んだ現在、B遺伝子と類似のcDNA配列や、特異的なG塩基の欠失を伴わないO遺伝子も発見された。

血液型検査
 +が凝集、-が凝集なしとすると、次のようになる。

亜種
 O型には幾つかのバリエーションが知られ、中でも特に有名なO型のバリエーションにボンベイ型がある。
 また、本来はA型またはB型だが、抗原が弱いためO型と誤認されるものもある。

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