HYFLEX
読み:ハイフレックス
外語:HYFLEX: Hypersonic Flight Experiment

 極超音速飛行実験。軌道再突入実験機りゅうせい(OREX)に続く、日本で二番目の大気圏再突入実験機である。
 1996(平成8)年2月12日にJ-Iロケット1号機(J-I・1F)で打ち上げられ、成功した。
目次

実験機について
 極超音速域で、飛行機のように揚力を持って飛行する機体の設計・製作・飛行技術を蓄積すると共に、地上試験では取得が困難な各種データを取得することを目的とした無人実験機である。
 先代OREXが本当に唯の再突入実験機だったのに対し、HYFLEXは翼を持ち、再突入と共に機体制御も行なうことを目的とした。

国産宇宙船計画
 これは、HOPE、すなわち国産スペースシャトル計画の研究開発の一環で、そのうちの飛行実験の一つである。
 OREX(りゅうせい)→HYFLEXHOPE-X→HOPEと想定されている計画のうちにある数ある困難な技術課題のうち、特に極超音速領域でのデータ取得を目的としている。

仕様
 機体表面は飛行中の空力加熱に耐えられるよう、HOPEで使用を予定しているカーボン製耐熱材料やセラミックタイルなどを用いている。
 そして実験機の各所に温度センサー圧力センサーなどが搭載されており、飛行中の加熱や圧力を計測する。

実験について
 HYFLEXは1996(平成8)年2月12日に打ち上げられ、データの取得に成功した。
 実験は成功したが、回収には失敗した。
 機体は約20分後に海面に着水したが、浮き袋とHYFLEXを結ぶロープが切断されてしまい、海中に水没してしまった。
 "かいれい" および "かいこう" ランチャーで捜索をするも、残念ながら遂に発見されず、機体の回収はできなかった。
 ちなみに当初は2月1日打ち上げ予定だったが、延期が続き、天候等の回復をみた12日に打ち上げられた。

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