連続スペクトル
読み:れんぞくスペクトル
外語:continuous spectrum

 分光観測(スペクトル観測)において、熱放射で発せられた(の波長)によって描かれる光のスペクトル
目次

概要
 固体等が充分に高温になり、外来からの入射光に対する反射光よりも、自身からの放射光の方が充分に強くなった際に見られる光が連続スペクトルとなる。
 例えば、灼熱のガス体や固体などの発光体から発せられる光は、あらゆる波長を含んでいる。
 このように、波長が連続的に繋がっているような光を、物理学では「白色光」と呼ぶ。

特徴

太陽光は白色光
 芸術分野でいう白色とは、色相の感覚を与えないものを指して言う。
 連続スペクトルは「白色光」と呼ばれるが、この物理学でいう「白色光」とは人間の視覚でいう「白色」と一致するとは限らず、むしろ白く見えないことのほうが多い。
 例えば太陽は橙色に見えるが、太陽光は「白色光」であるとされる。
 太陽光をプリズムで分光すると虹の連続したスペクトル(赤〜紫)として見ることができるが、このような連続した波長の光をもったスペクトルを連続スペクトルという。

蛍光灯は白色光ではない
 蛍光灯は人間の目には白く見える。ではこれは「白色光」つまり連続スペクトルかというと、そうではない。
 典型的な蛍光灯は3種類の輝線スペクトル(赤・緑・青)が組み合わせられている。これは人間の視覚に合わせて、三原色を組み合わせると白色に見える現象を応用したためであり、3種類の蛍光体が塗られていて各々が光るため、白く見えている。
 したがって、典型的な蛍光灯は特定の波長しか持たないため、連続スペクトルではない。

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