観測可能な宇宙
読み:かんそくかのうなうちゅう
地球から観測できる範囲の宇宙のこと。
概要
宇宙は、光速を超える速度で膨張している。
原理的に、地球から、宇宙の年齢×光速度を超える範囲を観測することはできない。光速度は有限だからである。つまりこれが、観測可能な宇宙の広さである。
観測可能な宇宙内に存在する全原子数は、一説では1079〜81個とされている。
特徴
範囲
宇宙の範囲は有限だが、このように観測可能な範囲は物理的に制限されている。
更に、現在の観測技術では「宇宙の晴れ上がり」より前を見ることは出来ないので、観測できる範囲は宇宙の年齢×光速度よりも少し狭い範囲となる。
こうして原理的に観測可能な範囲の限界を「粒子的地平面」といい、地球からの距離は約470億光年である。この距離を「共動距離」(comoving distance)という。
粒子的地平面
粒子的地平面は現在、光速の約3.5倍の速度で地球より遠ざかっており、つまり光速の約3.5倍速で宇宙は膨張している。かつてはもっと速く膨張しており、膨張速度は徐々に遅くなっているようである。
実際に粒子的地平面が観測できた場合、見えるのは宇宙が晴れ上がったときの姿であり、具体的には温度3K(-270℃)のマイクロ波であると考えられている。但し現在は粒子的地平面は観測できておらず、観測された最遠の銀河でも、粒子的地平面より遥かに手前である。
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