膨張宇宙論
読み:ぼうちょううちゅうろん
宇宙は膨張している、とする理論のこと。対するは「定常宇宙論」である。
概要
地球から天体を観測した際に、天体の後退速度は地球からの距離に比例するというハッブルの法則から結論として得られた。
天体が発する光のスペクトルは相対移動速度に応じて赤方偏移するため、後退速度は光のドップラー効果から求めることができる。そして殆どの天体で赤方偏移を観測→赤方偏移を光のドップラー効果と解釈→これらの天体は地球から遠ざかっている→宇宙は膨張している、というように解釈され、現在の標準理論となっている。
反論
反論もあるが宇宙の膨張はほぼ前提となっているために、主流にはなっていない。
ある反論では、赤方偏移とは光の周波数が低く観測されること、即ち光のエネルギーが減少していることで(E=h/r; E:光のエネルギー、h:プランク定数、r:波長)、光は長距離を移動する際にエネルギーが放出されるために赤方偏移するという理論である。現在、宇宙空間には塵や星間ガス、イオン等の星間物質の存在が明らかになっており、それらにエネルギーが吸収される可能性が示唆されている。
膨張宇宙論は、宇宙空間は真空、または星間物質があっても光はエネルギーを失う事は無いという仮定に基づいている。この仮定が覆されれば、将来には異なる理論により否定される可能性がある。
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