活動銀河
読み:かつどうぎんが
外語:active galaxy
銀河
の中でも、特に活動的で莫大なエネルギーを放出しているもの。
目次
概要
特徴
種類
エネルギー源
エネルギーがなくなった後
概要
普通の銀河でも、
恒星
や
星間物質
(
星間ガス
、星間塵)などからエネルギーは放出されているが、そういったものとは異なる要素から莫大なエネルギーが放出されている特殊な銀河を活動銀河と呼ぶ。
活動銀河は、銀河の中のごく僅かな領域からエネルギーの大部分が放出されていることが分かっており、これを
活動銀河核
(AGN: active galactic nucleus)という。
活動銀河核は様々な波長で輝いている。活動銀河によって異なるが、
電波
、
赤外線
、
可視光線
、
紫外線
、
X線
、
γ線
と、
電磁波
のほぼ全ての帯域でエネルギーが放出されている。
特徴
種類
活動銀河核は様々な波長で輝いていて特徴から次のように分類されているが、あくまで観測上の差違による分類に過ぎず、これらはおなじ機構による天体である(順不同)。
電波銀河
クエーサー
ブレーザー
FSRQ
(均一スペクトル電波クエーサー)
とかげ座BL型天体
(BL Lac天体) ‐ スペクトル中に輝線が存在しない
セイファート銀河
高光度赤外線銀河
(LIRG)
超高光度赤外線銀河(ULIRG) ‐ クエーサー並の
光度
を赤外線領域で放出している
ハイパー高光度赤外線銀河(HLIGR)
低光度活動銀河核
ライナー
‐ 低電離の輝線を放ち、渦巻銀河などでよく観測される
エネルギー源
活動銀河核のエネルギー源として最も有力なのは、銀河の中心に
太陽質量
の10
6
〜10
9
倍(100万〜10億倍)程度の
超大質量ブラックホール
があり、そこに
物質
が落ち込む際に物質の重力エネルギーが解放される、というものである。
物質はブラックホールの周囲を公転する角運動量を持っているため、ブラックホールに直接落ちるのではなく、その周囲に
降着円盤
を形成する。この降着円盤は物質の質量をエネルギーに変える働きをもっていてこれが活動銀河核が放出するエネルギー源であり、そのエネルギーの大部分を電磁波のほぼ全帯域で放出している。
エネルギーがなくなった後
銀河内の物質の量は有限であるので、活動銀河核のエネルギー源も当然ながら有限であり、いずれ枯渇する。
ブラックホールが周囲の物質を吸収しつくした場合はエネルギー源がなくなるため、活動銀河核はエネルギーの放出のない、ありふれた通常の銀河になると考えられる。
こうした「燃料切れ」を起こしたかつての活動銀河核は、「
低光度活動銀河核
」である
ライナー
や、活動的ではない
クエーサー
である「
とかげ座BL型天体
」などとして観測される。
クエーサーが遠方つまり初期宇宙にのみ多数存在するのは、エネルギー源となる物質がその分大量に存在するためと考えられている。
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