放射線ホルミシス
読み:ほうしゃせん-ホルミシス
外語:radiation hormesis

 少しの放射線被曝は、免疫機能の向上や新陳代謝をもたらし、健康によいとする仮説。
目次

概要
 放射線ホルミシスは、米国ミズーリ大学教授で生化学者のトーマス・ドネル・ラッキー(Thomas Donnell Luckey)が提唱した仮説である。
 少しの放射線は、免疫機能の向上させ、身体活動を活性化し、病気の治療や、病気に罹りにくい強い体にし、また老化を抑えて若い体を維持することができるなど、良いことが多いとする仮説である。
 それまでの、僅かの放射線でも有害であるとする仮説、例えば放射線防護で使われるLNT仮説などを否定する、画期的な仮設である。

特徴
 この仮説の提唱以降、世界中で真偽を確かめるための研究が進められるようになった。
 例えば、広島・長崎に投下された原爆では多くの人が被曝することとなったが、この生存者の間では低線量の被曝による健康被害がほぼ観察されていない。この事実は、疫学に基づく結論として「LNT仮説は誤り」であり、放射線ホルミシスの裏付けの一つでもある。
 日本で、療養泉として放射能泉(ラジウム温泉)が使われていてある程度の効果があるとされているのも、この放射線ホルミシス仮説を裏付けるものである。

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