基本再生産数
読み:きほんさいせいさんすう

 ある感染症において、全く免疫を持たない集団の中で一人の感染者が二次感染者を平均して何人発生させられるかを推定した値。略号は「R0」。
目次

概要
 感染症が流行しやすいか否かを判断するための指標の一つである。
 R0が1を超える場合は一人のの感染者から1人以上の二次感染者を生み出せることを意味するため、感染拡大しやすいことを意味する。

特徴

計算
 武漢肺炎ウイルス感染症(COVID-19)の場合、変異株ごとに基本再生産数が変化するので参考となるが、2020(令和2)年の論文で支那湖北省のデータではR0=2.1〜5.1と推定されたという。
 これはMERSコロナウイルスのR0=0.7やSARSコロナウイルスのR0=1.7〜1.9と比べて非常に高く、感染拡大しやすい感染症であることがわかる。
 なお2020(令和2)年の論文で、2020(令和2)年1月に発生したダイヤモンド・プリンセス号の感染拡大ではR0=2.28(95%信頼区間 2.06〜2.52)と推定されたという。

考え方
 基本再生産数R0が高ければ感染しやすいことになるが、R0が小さくても世代時間が短い場合は感染拡大を起こしうる。
 基本再生産数R0が小さい場合、免疫保持者の増加(ワクチン接種)や、行動制限、マスクや手洗いの徹底などで実効再生産数は1を切りやすく、感染を抑え込みやすい。

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