唐灰汁
読み:とうあく
長崎チャンポンの麺を作るのに欠くことのできない副原料の一つ。食品添加物。「唐あく」などとも。
概要
ちゃんぽん麺はラーメンと同様に中華麺であり、唐灰汁の有効成分自体は、日本の食品衛生法および関連法規では「かんすい」の一括名で表示することになっており、つまりラーメンを作る時に使うものと区別されていない。
しかし、ラーメンとは起源を異にする長崎チャンポンは、ラーメン用のかんすいとは成分が異なる。
実際の成分上の差異を言えば、ラーメンを作る場合は一般に「炭酸カリウム」の濃度が高いものが使われるが、ちゃんぽん麺の場合は「炭酸ナトリウム」の濃度が高いものが使われている。双方とも、法規上は「かんすい」の一種である。
特徴
麺
長崎で食べられているちゃんぽん麺の殆どは、小麦粉に唐灰汁を混ぜた唐灰汁麺である。この中華麺の製法は、昭和初期に上海から伝わったとされている。
唐灰汁(炭酸ナトリウム)の麺は、炭酸カリウムを使うラーメンの麺とは異なる独特の風味を持っている。
また、長崎では麺だけでなく、餃子やワンタンの皮、節句の粽(ちまき)、ソーダ饅頭といったものにも唐灰汁を使用している。
定義
生めん類の表示に関する公正競争規約には、次のような記載がある。
(定義)
第2条
4 この規約で「中華めん」とは、小麦粉にかんすい(唐あくを含む。)を加えて練り合わせた後製めんしたもの又は製めんした後加工したものをいう。
「唐あく」は、鹹水(かんすい)の一種である。
前規約の施行規則である、生めん類の表示に関する公正競争規約施行規則では、長崎チャンポンは次のように定義されている。
長崎チャンポン
長崎県内で製造されたもの
小麦粉 たん白質8.5%以上
灰分0.40%以下
唐あく水 ボーメ3°〜4°
切歯番手 16番丸歯
蒸し、ゆでの場合 十分アルファー化されていること
炭酸ナトリウムは「かんすい」と表示される物質の一覧表にある物質の一つだが、中でも長崎チャンポンで使うものは唐あくと呼ぶのである。
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