不規則型変光星
読み:ふきそくがたへんこうせい
外語:irregular variables
光度変化が完全に不規則であり、周期性が見られない
変光星
。
目次
概要
爆発型変光星
研究が不十分なもの(I)
オリオン変光星(IN)
INA型
INB型
おうし座T型(INT、IT)
IN(YY)型
IS型
ISA型
ISB型
脈動変光星(L)
分類
代表的な星
概要
変光星総合カタログ(General Catalogue of Variable Stars; GCVS)
では、
爆発型変光星
と
脈動変光星
にirregular variablesとする分類が見られる。
またこれら以外にも、例えば
激変星
(
新星
、
超新星
など)や
閃光星
といったものを含めて論じることもある。
以下は、変光星総合カタログ(GCVS)に記載のものについて論じる。
爆発型変光星
爆発型変光星
の中の不規則型変光星は、大きく、研究が不十分なものと、オリオン変光星とに分けられる。
研究が不十分なもの(I)
研究が不十分な、光度変化とスペクトル型で未知の特徴を持つ不規則な変光星。これは非常に不均一な天体のグループである。
IA ‐ 研究が不十分な、初期(O-A)スペクトル型の不規則な変光星
IB ‐ 研究が不十分な、中期(F-G)から後期(K-M)スペクトル型の不規則な変光星
オリオン変光星(IN)
星雲と関連する、あるいは星雲の中で観察される不規則な変光星である。
光度階級においては
矮星
(
主系列星
)から準巨星の領域にあり、恐らくは矮星(主系列星)に至る前段階の若い天体である。それらの幾つかは、軸回転に伴う周期的な光の変化を示す場合がある。
IN型の中でも、特に短期間で急激な光度変化をするものはINS型として分類される。
INA型
オリオン変光星のうち、スペクトル型が早期型(B型からAまたはAe型)のもの。
いっかくじゅう座R星
みなみのかんむり座R星
INB型
オリオン変光星のうち、スペクトル型が中期および晩期スペクトル型のもの(F型からM型、またはFe型からMe型)。
ケフェウス座BH星
オリオン座AH星
おうし座T型(INT、IT)
オリオン変光星のうち、スペクトル型がFeからMeの範囲にあり、スペクトルに特にFeIIの蛍光輝線、[SiII]や[OI]の輝線、およびLiIの吸収線の存在が特徴となる。これらの変光星は通常は散光星雲に見られるが、星と星雲の関連が明らかでない場合はタイプの「N」を略し「IT」とする。
IN(YY)型
一部のオリオン変光星は輝線の赤側に吸収成分の存在を示し、星表面への物質の流入を示す(オリオン座YY星)。この場合、タイプ記号に「YY」が付く場合がある。
IS型
星雲を伴わず、数時間から数日という短い時間で約0.5〜1.0等の範囲で不規則な変光する。
IS型とオリオン変光星に厳密な境界はなく、星雲が存在する領域で観察される場合はINS型とされる。
ISA型
IS型変光星のうち、スペクトル型が早期型(B型からAまたはAe型)のもの。
ISB型
IS型変光星のうち、スペクトル型が中期および晩期スペクトル型のもの(F型からM型、またはFe型からMe型)。
脈動変光星(L)
脈動変光星
の中の不規則型変光星は、不規則にゆっくりとした光度変化を見せる。記号は「L」。
変光の脈動の範囲は0.5等級前後。
ここに分類される変光星は実際は研究が不十分なものであり、多くのものは実際には
半規則型変光星
であるか、あるいは他のタイプに属している。
分類
変光星総合カタログ(General Catalogue of Variable Stars; GCVS)
では、二種類に細分類している。
LB ‐ 晩期スペクトル型(K・M・C・S)で、不規則で遅い。原則として巨星である。プロトタイプははくちょう座CO星である。
LC ‐ 晩期スペクトル型(K・M・C・S)の超巨星で、変光範囲は可視光領域で約1等級である。プロトタイプはカシオペア座TZ星である。
つまり、赤色巨星のLB型と、赤色超巨星のLC型に分けられる。
代表的な星
LB型変光星
はくちょう座CO星 (プロトタイプ)
アルデバラン (おうし座α星)
シェアト (ペガスス座β星)
LC型変光星
カシオペア座TZ星 (プロトタイプ)
アンタレス (さそり座α星)
おおいぬ座VY星
再検索