三ドメイン説
読み:さんドメインせつ
生物の分類方法の一つで、界の上位に三つのドメインを置くもの。1990(平成2)年にカール・リチャード・ウーズ(Carl Richard Woese)らによって提唱された。
概要
具体的には、次の三ドメインに分ける。
特徴
参考
近年はDNA研究も進んでおり、五界説や六界説といったものは完全に過去の存在となり、三ドメイン以下、細分類するような研究が進められている。このため、動物と菌は同じグループ下に収まる、といった研究成果が出ている。
参考までに、かつての六界説の界を併記する。
- 真正細菌
- 古細菌
- 真核生物
分岐
三つのドメインは、真核生物、真正細菌、古細菌である。
真核生物はそれ単体で一つのドメインをなし、原核生物は二つのドメインに分かれている。
これは生命進化の系統樹にのっとった分類方法であり、生物は次のように枝分かれしたと説明している。
- 共通祖先
- →バクテリア(真正細菌)が分離
- 古細菌と真核生物の共通祖先
- →アーキア(古細菌)が分離
- →ユーカリア(真核生物)が分離
エオサイト説
なお現在、真核生物は古細菌から進化したとする有力な仮説、エオサイト説が提唱されている。
この仮説に基づけば、3つのドメインに分けるのではなく、「細菌」と「真核生物+古細菌」の二つに分ける方が適切ということになる。
三ドメイン説が過去の分類を葬ったように、いずれは三ドメイン説も新しい分類に葬られることになるのだろうと思われる。
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