ラニーニャ現象
読み:ラニーニャげんしょう
外語:La Ni〓a

 赤道太平洋の中部から東部にかけて海面水温が平年より低くなる現象。ひとたび発生すると半年〜3年間程度続き、世界規模で異常気象を引き起こす。
目次

概要
 南米ペルー沖の海面水温が大幅に低下し、逆にインドネシアやオーストラリア北部などの海面水温が大幅に上昇する。
 これにともない気圧は、ペルー沖では上昇し、インドネシアやオーストラリア北部などでは低下する。海水面の海水は西側へと運ばれることとなり、結果、海面水位は東ほど低く、西ほど高くなる。こうして、西側ではや降水の発生が増え、結果、異常気象を発生させることになる。
 ラニーニャとはスペイン語で女の子のことであり、男の子を意味するエルニーニョ現象の対語となっている。温度変化が、ちょうどエルニーニョの逆になっていることから、この名が付けられた。

特徴

現象
 ラニーニャが発生すると、温かい海水が太平洋の西側に偏り、インドネシア近海で海水の蒸発が盛んになる。このため、インドネシア、マレーシア、オーストラリア北部などでは降水量が増加する。
 また、海水蒸発が活発になることで、上昇気流などの勢いも増す。この結果、偏西風が北側に押し上げられ、日本付近では通常より南に蛇行するようになり、日本にも異常気象をもたらす。
 日本では、冬季には北の寒気が日本に入り込みやすくなり厳寒を引き起こし日本海側で大雪をもたらす。夏場は日本の高気圧の発展の引き金となり、猛暑をもたらすほか、台風が日本に上陸することができず日本の干魃を引き起こす。そして夏場、日本海の水温が高まり蒸発量が増すと、翌冬に豪雪を招きやすいとされている。

近年の状況
 最近では、2010(平成22)年夏頃から2011(平成23)年5月頃にかけて発生し、日本など北半球では記録的な猛暑に、パキスタンでは洪水が発生し、また南半球のオーストラリアでも豪雨が発生して東部地区が水没した。
 これも2011(平成23)年春に終息したことから、夏は平常に推移すると予測されている。

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