ライマン系列
読み:ライマンけいれつ
輝線スペクトルの系列の一つ。n′=1。
概要
電子の準位が励起状態(n≧2)から基底状態(n=1)に遷移するときに放出される輝線。
1906(明治39)年にアメリカの物理学者ライマン(Theodore Lyman)により発見されたため、この名がある。
特徴
波長
水素のライマン系列が古くから研究されている。これは、紫外線領域である。
波長の長い順にLy-α、Ly-β、Ly-γ…、…Ly-∞と呼ぶ。
- n=2→1 (Ly-α) 121.6nm
- n=3→1 (Ly-β) 102.6nm
- n=4→1 (Ly-γ) 97.3nm
- n=5→1 (Ly-δ) 95.0nm
- n=6→1 (Ly-ε) 93.8nm
- n=7→1 (Ly-ζ) 93.1nm
- n=8→1 (Ly-η) 92.6nm
- n=9→1 (Ly-θ) 92.3nm
- n=10→1 (Ly-ι) 92.1nm
- n=11→1 (Ly-κ) 91.9nm
- n=∞→1 (Limit) 92.2nm
ライマンα線
天文学では、このうちLy-α(ライマンα線)を距離の計測に用いている。
水素の原子は宇宙の至る所にあるため、この水素のLy-αの赤方偏移の量を調べることで、天体までの距離を測ることができる。
Ly-αの121.6nmは紫外線だが、遠方の天体では赤方偏移で可視光線、超遠方であれば赤外線にまでずれて(波長が伸びて)観測される。
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