メートル
読み:メートル
外語:m: me`tre
cgs単位系
、
MKS単位系
、
MKSA単位系
、ならびに
国際単位系
における、長さの単位。省略形および単位は「m」。日本では漢字で「米」と書く。
目次
定義
関連単位
沿革
国際標準化前
国際メートル原器
基準を光に
定義
現在は、「299,792,458分の1秒間に光が
真空
中を伝わる行程の長さ」と定義されている。
この長さの定義は、1983(昭和58)年の第17回国際度量衡総会で決定したものである。
関連単位
国際単位系では、
SI接頭語
を付けることで微小または巨大な値を簡潔に表現できる。
以下は、SI的に可能性のありそうな単位である。実際には、その殆どは使用実績が無い。併記する漢字は日本における表記方法で、多くは
国字
であるとされている。
ヨクトメートル(ym) 10
−24
ゼプトメートル(zm) 10
−21
アトメートル(am) 10
−18
フェムトメートル(fm) 10
−15
ピコメートル(pm) 10
−12
ナノメートル
(nm) 10
−9
マイクロメートル
(μm) 10
−6
邊
ミリメートル
(mm) 10
−3
粍
センチメートル
(cm) 10
−2
糎
デシメートル
(dm) 10
−1
粉
メートル
(m) 10
0
米
デカメートル(dam) 10
1
籵
ヘクトメートル(hm) 10
2
粨
キロメートル
(
km
) 10
3
粁
メガメートル(
Mm
) 10
6
ギガメートル(
Gm
) 10
9
テラメートル(Tm) 10
12
ペタメートル(Pm) 10
15
エクサメートル(Em) 10
18
ゼタメートル(Zm) 10
21
ヨタメートル(Ym) 10
24
しかしヨタメートルなどの単位は現実的でなく、このような単位を使ってもヨタ話と言われる。
沿革
最初から現在の定義が決められたわけではない。ここに至るまでに幾多の変遷を経ている。
国際標準化前
昔は単位が混在しており、この統一が必要だと考えられた。これに力を入れたのがフランスだった。
幾つかの案が出された後、地球の大きさを基準とすることになる。赤道全周と子午線全周のいずれかで議論されたが、赤道全周は測量困難のため、最終的に「パリを通過する北極と赤道の子午線の長さの1000万分の1」とされた。
単位は寸法を意味するラテン語metrumから、me`treとなった。
1799(寛政11)年に、測量の結果に基づき
メートル原器
が作られ、これは「Me`tre des Archives」と呼ばれた。
メートル原器は、それ自体の長さではなく、原器に引かれた線の間を単位とする。
国際メートル原器
1872(明治5)年に国際メートル委員会でメートル原器が30本が作られた。この原器は
重量
に対し
白金
90%、
イリジウム
10%の合金である。
1889(明治22)年の第1回国際度量衡総会で、0℃で最も「Me`tre des Archives」に近い長さの一本が「国際メートル原器」に指定された。
しかし、かねてより精度について問題が指摘されていたため、他の方法による定義が模索され始める。
基準を光に
そこで、光の波長を基準とすることにした。明るく、容易に得られる単色光であることが条件で、各国より様々な提案がされた。
そして1960(昭和35)年、第11回国際度量衡総会で「1メートルはクリプトン86(
86
Kr)原子の準位2p
10
と5d
5
間での遷移に対応する光の真空中での波長の1,650,763.73倍に等しい長さ」と定義された。中途半端であるのは、先にあったメートルの長さに合わせるためである。
しかしKrランプは再現性が悪かったため、これもすぐに問題となり、次なる定義が求められた。
かくして1983(昭和58)年、第17回国際度量衡総会で「1メートルは1秒の299,792,458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さ」とした。レーザー技術の発達とともに高い精度が得られるようになったほか、「真空中の光速」は
アルベルト・アインシュタイン
の
相対性理論
の
光速度不変
の原理により、高い普遍性がある。
再検索