アテン型小惑星
読み:あてんがたしょうわくせい
外語:Aten asteroid
地球近傍小惑星(NEA)のうち、軌道長半径が1au未満で、遠日点が0.983auを超えるもの。アテン群とも。
概要
軌道長半径が1天文単位より小さい、つまり地球の公転軌道よりも小さな軌道長半径を持った小惑星で、多くの期間は地球公転軌道より内側にあるが一時的に地球公転軌道の外側に出る小惑星である。この際に地球に接近することがあるため、潜在的な脅威である。
遠日点が0.983auを超えるものがアテン型小惑星とされ、遠日点が0.983AU未満のものは別の分類アティラ型小惑星に分類される。軌道が不明瞭なものについては、アテン型かアティラ型か明確に判明していないものもある。
アテン型小惑星またはアテン群という名称は、この分類で最初に発見された小惑星「(2062) アテン」にちなんで命名された。
特徴
天体数
アテン型小惑星は2019(令和元)年時点で1500弱が報告されており、その多くは潜在的に危険な小惑星とされている。
主要な天体
天体は膨大な数あるため、代表的なものの紹介に留める(小惑星番号があるものは番号順、ないものは識別符号順)。
- (2062) 1976 AA アテン(Aten) ‐ 1932(昭和7)年にエレノア・ヘリンが発見した。名前はエジプト神話の太陽神の一柱から。このカテゴリーの名前の由来
- (3753) 1986 TO クルースン(Cruithne) ‐ 楕円軌道をもち太陽を1年で公転するが、地球軌道と同期しており1年ごとに地球に接近する
- (367943) 2012 DA14 ‐ 地球から27,700kmにまで接近した小惑星。この時アポロ型から軌道が変化し、アテン型またはアティラ型小惑星になった
- 2000 SG344 ‐ アポロ計画で打ち上げられたサターンVロケットの第3段 S-IVBとする説と、天然の小惑星であるとする説がある
- 2001 BA16
- 2002 EM7 ‐ 直径60m程度あり、2002(平成14)年に地球から46.3荳kmにまで接近した
- 2002 GQ
- 2003 SW130
- 2004 FH ‐ 地球から43,000kmにまで接近した小惑星
- 2004 FU162 ‐ 2011 CQ1に抜かれるまでは観測史上最も地球に接近した小惑星
- 2011 CQ1 ‐ 観測史上最も地球に接近した小惑星。その際、地球重力で軌道が変わり、元々アポロ型小惑星だったがアテン型小惑星に変化した
- 2019 OK ‐ 直径100mを超える小惑星として、地球から72,400kmと観測史上最も地球に接近した
- 2010 RX30
- 2010 RF12
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