かぐや
読み:かぐや
外語:SELENE: SELenological and ENgineering Explorer
JAXA
が、宇宙科学研究所(
ISAS
)と
NASDA
だった頃から共同で開発した大型月探査機で、月周回衛星(衛星の衛星)。
目次
情報
基本情報
沿革
特徴
主衛星
子衛星
主要ミッション機器
目的
名前
情報
基本情報
所有国:
日本国
打ち上げ: 2007(平成19)年9月14日10:31:01(@104)
ロケット:
H-IIAロケット13号機
発射台:
種子島宇宙センター大型ロケット発射場
打ち上げ時質量: 約2,900kg
搭乗員: なし(無人)
国際標識番号:
2007-039A (かぐや)
2007-039B (RSAT おきな)
2007-039C (VRAD おうな)
沿革
2007(平成19)年9月14日10:31:01(@104): 打ち上げ
2007(平成19)年10月4日06:20(
3日
@930): 月周回軌道投入
2007(平成19)年10月9日09:36(@066): リレー衛星おきな 分離
2007(平成19)年10月12日13:28(@227): VRAD衛星おうな 分離
2007(平成19)年10月19日: 定常観測軌道(高度100km)の月周回軌道への投入
2009(平成21)年2月10日: JAXA、おきなが12日夜に月の裏側に落下する見通しを発表
2009(平成21)年2月12日19:46(@490)頃: おきな、月の裏側に落下
2009(平成21)年6月11日03:25(
10日
@809)頃: かぐや、月の表側に落下
2009(平成21)年6月29日21:08(@547): おうな、停波実行と運用の終了 (全ミッション終了)
「かぐや」落下位置は、南緯65.5度、東経80.4度、GILLクレータ付近である。
特徴
衛星は、主衛星と、2機の子衛星(リレー衛星、VRAD(ブイラド)衛星)で構成される。
主衛星
縦横2.1m、高さ4.8mの角型の衛星である。
主に次のようなパーツで構成されている。
上部モジュール
下部モジュール
アダプタートラス
ハイゲインアンテナ
太陽電池
パドル
伸展マスト
伸展アンテナ
子衛星
子衛星(リレー衛星、VRAD衛星)は、更に高い楕円軌道を周回し、電波の中継用に用いる。
それぞれ、
質量
約50kgの八角柱の形状をしている(1m×1m×0.65m)
子衛星が二つとも分離成功した2007(平成19)年10月12日、リレー衛星は「おきな(OKINA)」、VRAD衛星は「おうな(OUNA)」と命名された。それぞれ、竹取物語に登場するお爺さん(翁)とお婆さん(媼)で、かぐやを見守るイメージから命名されたとされる。
主要ミッション機器
主探査機には、ハイビジョンカメラを含む次の15種類の観測機器が搭載され、月面上空100kmの極・円軌道を周回して月面の水や
鉱物
などを観測し、更にレーダーで地下5kmまでの構造を調査する。
蛍光X線分光計
ガンマ線分光計
粒子線計測器
地形カメラ
マルチバンドイメージャ(MI)
スペクトルプロファイラ(SP)
月レーダサウンダー(LRS)
レーザ高度計
月磁場観測装置
プラズマ観測器
プラズマイメージャ
相対VLBI用電波源-1,2
リレー衛星搭載/対向中継機
月電波科学観測
高精細映像取得システム
地形カメラ、マルチバンドイメージャ、ハイビジョンカメラに使われているレンズは、富士フイルムグループのフジノンが開発したものを用いている。
目的
この計画の主要な目的は次の二つである。
月の起源と進化の解明のための科学データを取得すること
月周回軌道への投入、軌道姿勢制御技術の実証を行なうこと
この探査機は2007(平成19)年10月5日に月の周回軌道に入った。以降は1年間かけ、地形観測や、月を構成する物質(元素の分布状況)などの観測を行なう予定である。これにより、謎の多い月誕生について、何らかの情報が得られると期待されている。
この月周回軌道への投入だが、難易度は非常に高いものだった。なぜなら、月と地球の
重力
の強さなどから、軌道が安定しないためである。
名前
名前SELENEは
ギリシャ神話
の月の女神セレーネに由来する。これは
ローマ神話
のLunaに相当する。
愛称の「かぐや」は公募によるもので「かぐや姫」にちなむ。これは打ち上げ前の2007(平成19)年6月6日に発表された。約1万件の応募のうち、最多の約1,700件を占めたとされる。
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