CCD (Zen)
読み:スィースィーディー
外語:CCD: CPU Compute Die

 ZenマイクロアーキテクチャーにおけるCPUダイのことで、Zen 2以降から採用された。CPU Compute Die、あるいはCore Complex Dieの略とされている。
目次

概要
 Zen 2では、CPUとI/OのChipsetを組み合わせられる設計となっていて、CPUコア(CCX)を内蔵したダイが「CCD」、入出力回路を搭載したダイが「IOD(I/O Die)」と呼ばれる。
 CPUコアはグレードに応じて複数の枚数を搭載でき、基本的には4個までのCCDが搭載できる。対してIODは原則として1個である。ただし、サーバー用途のsIOD(Server I/O Die)と、その廉価版に相当するcIOD(Client I/O Die)が用意されている。

特徴

インターコネクト
 CCDとIOD間は、GMI(Global Memory Interconnect)またはIFOP(Infinity Fabric On-Package)と呼ばれるダイ間インターコネクトで接続されている。名前は複数あるが、同じものを指している。
 Zen/Zen+世代ではGMI、Zen 2世代ではGMI2とされている。

通信
 あるCCDから他のCCD、あるいはDRAMにアクセスするためには、このGMIでの通信に寄らざるを得ない。そしてまた、どうやら同じCCD(同一ダイ)上のCCX間の通信も、直接ダイ内で完結するのではなく、GMIによってIODのData Fabric経由で通信を実施しているようである。CPUをクラスター化し、CCDの数も可変にしようとすると、性能へのインパクトは無視できないがこうするのが最もシンプルになる、ということなのだろう。
 結果として、異なるCCXを跨ぐ処理やメモリーアクセス等が頻発すると必然的にIODとの通信が発生し速度は低下する。これを避けるために、Windows 10ではMay 2019 UpdateからTopology Awarenessと呼ばれる機能が搭載され、あるスレッドから別のスレッドを生成する場合、極力同じOCXで動かすようにスレッドを生成するように調整する機能である。必要な場合は通信が生じることを承知した上で、各CPUコアに処理を分散させることもできる。

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