C3 (蛋白)
読み:スィースリー
外語:C3: complement 3
補体蛋白(C3)、補体第3成分。
概要
C3は、2本のポリペプチド鎖からなる分子量19万の糖蛋白である。血中補体成分としては最も多く存在する。
主に肝臓で産生され、他に単球やマクロファージでも産生される。細菌感染の防御や炎症反応に関与している。
検体検査においては、免疫学的検査のうち「D015 血漿蛋白免疫学的検査」に分類されている。検査料は令和4年 医科診療報酬で70点である。
特徴
検査目的
自己免疫疾患などが疑われる時は、C3と同時にC4やCH50も検査することが多い。
悪性腫瘍や炎症、感染症では高値を示し、また悪性関節リウマチや肝炎などでは低値を示す。
C3値は感染症、炎症、悪性腫瘍で上昇するため、様々な疾患の程度を見るための指標になると考えられている。
慢性関節リウマチなどでは炎症を起こした関節滑膜組織がC3を産生するため、高値を示す場合は慢性関節リウマチなどが疑われる。
この検査のみで病気の種類を特定することはできない。スクリーニング(ふるい分け)に使われる。
正常値
診療機関によって様々だが、幾つかで使われている基準値を以下に示す。
- 65〜135mg/dl
- 73〜138mg/dl
- 86〜160mg/dl
- 123〜167mg/dl
異常時
C3の異変として、次のようなものがある。
- 高い値を示す場合
- 悪性腫瘍
- 感染症(急性・慢性)
- サルコイドーシス
- ベーチェット病
- 膠原病
- 慢性関節リウマチ
- リウマチ熱
- 強皮症(全身性硬化症)
- 皮膚筋炎(あるいは多発性筋炎)
- 結節性多発性動脈炎
- 低い値を示す場合
- 膠原病
- 心内膜炎
- 肝疾患 (肝硬変、肝炎など)
- 糸球体障害 (糸球体腎炎など)
- 自己免疫性溶血性貧血
- シェーグレン症候群(SJS)
- クリオグロブリン血症
- 寒冷凝集素症
- 多臓器不全
- アナフィラキシーショック
- 補体欠損症
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