BHT
読み:ビーエイチティー
外語:BHT: Butylated Hydroxytoluene

 ジブチルヒドロキシトルエン。フェノール系酸化防止剤。指定添加物。
目次

物質の情報
 分子式C15H24O。分子量220.35。CAS番号128-37-0。
 常温では無色の結晶または白色の結晶性の粉末か塊で、無臭あるいは僅かな特有の臭気を持つ。
 

製法
 工業的にはp-クレゾールとイソブチレンを硫酸下で反応させ、反応生成物を蒸留し、エタノールから再結晶して製造する。

物質の特徴

用途
 接着剤ゴム、繊維加工剤、包装材料、あるいは食品の腐敗や変色を防ぐ食品添加物として、様々なところで使われている。
 食品では、食用油脂、魚介類の乾製品や塩蔵品などに使用されている。
 安価なうえ、他の酸化防止剤と比べて安定性が優れ、また加熱加工製品への効力移行性が良い。単品だけではなく、他の酸化防止剤やアスコルビン酸(ビタミンC)、枸櫞酸などと併用されて使われることも多い。
 かつてはポリプロピレンの酸化防止剤としても多用されたが、溶出等の問題をおこすため、昨今では殆ど使われなくなった。

安全性
 FAO/WHOは一日許容摂取量(ADI)を0〜0.3mg/kg体重/日に設定している。
 発がん性変異原性催畸形性は確認されていない。

動物実験
 皮膚炎、過敏症、発がん性、変異原性、脱毛などが疑われているとされるが、現時点では確実な証拠は見つかっていない。
 マウスやラットを利用した長期間飼育実験では、発がん性は見つからなかったとする報告あり。

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