酸化防止剤
読み:さんかぼうしざい
物質の酸化を防止する物質のこと。主に、食品用と、工業の潤滑油用がある。
概要
食品用の酸化防止剤は食品添加物の一つで、鮮度を保つために用いる。
工業的には、各種のポリマーや油脂、潤滑油等の劣化防止に用いる。
特徴
食品用
食品添加物として使用される場合、食品の酸化を防ぎ、鮮度を保つために使われる。
食品用としては、枸櫞酸(クエン酸)、あるいはビタミンE、ビタミンCなどがよく使われる。
昨今では、「酸化防止剤」など「食品添加物」という機械的な表現では、「石油から作られた―」「人体に害がある―」「健康を害する―」「発がん性がある―」「環境ホルモンの―」などなど様々に使用を忌避したくなるような言葉が冠される傾向にあり、もって人に仇なす猛毒の扱いになる。
一方で、ビタミンCと書けば、「健康によい―」「肌によい―」「肌に潤いを与える―」「抗酸化作用がある―」などなど様々な美辞麗句が冠される傾向にあり、もって人に健康をもたらす有益物質の扱いになる。
しかし現実には、商品の品名には「酸化防止剤(ビタミンC)」のように書かれている。この表現は上での説明と見事に矛盾するので、二つのうちの片方または両方が嘘ということになる。実際は、両方が嘘あるいは表現過剰である。
工業用
工業的には、各種ポリマーや油脂・潤滑油等の劣化防止に用いる。これらは光や熱、酸化、疲労などにより変質し劣化するが、安定剤を添加することによって物質の変質を防ぎ、寿命を延長できる。
これには単体で使用できる一次酸化防止剤と、これと併用することで相乗効果をもたらす二次酸化防止剤がある。
色が変わりづらいフェノール系酸化防止剤、効果が強いアミン系酸化防止剤や、その他にも様々なものが使われる。
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