電力会社
読み:でんりょくがいしゃ

 電力(電気)の発電や供給を主たる事業とする企業。
目次

概要
 日本においては、2016(平成28)年4月1日からの電力小売り全面自由化に伴い電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)が改正されたため、大きく様変わりをした。
 改正前の電気事業法に規定されていた電気事業者である「一般電気事業者」「卸電気事業者」「特定電気事業者」「特定規模電気事業者」の名称は新法では廃止され、新法の第2条 第1項 第17号により、次が電気事業者として再定義された。

特徴

電力会社
 「電力会社」という呼称は法律の定義がない俗称であるが、このため今も、単に「電力会社」と言った場合は旧一般電気事業者である次の10電力会社を指すことが多い。
 この10社は、電気事業連合会を結成している。
 このほか、小規模に発電をし、周辺に電力供給を行なう事業者がある。
 (50Hz)と明記してある会社が原則として50Hzを供給し、それ以外はすべて60Hzである。

業務
 本業は、発電と、その電力の販売である。
 しかし関連する電化製品の販売など様々な事業の展開、また電気系統と共に敷設される光ファイバーを使った通信事業なども存在したり、電力系新電電に出資したりもしていた。
 広告媒体で、東京電力ホールディングスでんこや、東北電力のエコアイスアイスちゃん(通称えここ)など、萌え系のキャラを使って一部で人気を呼ぶこともある。

発電の種類
 各電力会社が使っている発電所の種類は次の通りである(順不同)。

事業者

小売電気事業者
 電気事業法には次のようにある。
 第二章 電気事業
 第一章 総則
 (定義)
 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 二 小売電気事業 小売供給を行う事業(一般送配電事業、特定送配電事業及び発電事業に該当する部分を除く。)をいう。
 三 小売電気事業者 小売電気事業を営むことについて次条の登録を受けた者をいう。
 
 第二章 電気事業
 第一節 小売電気事業
 第一款 事業の登録
 (事業の登録)
 第二条の二 小売電気事業を営もうとする者は、経済産業大臣の登録を受けなければならない。
 資源エネルギー庁の「登録小売電気事業者一覧」によると、2016(平成28)年10月11日現在、計350事業者とある。

一般送配電事業者
 電気事業法には次のようにある。
 第二章 電気事業
 第一章 総則
 (定義)
 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 八 一般送配電事業 自らが維持し、及び運用する送電用及び配電用の電気工作物によりその供給区域において託送供給及び発電量調整供給を行う事業(発電事業に該当する部分を除く。)をいい、当該送電用及び配電用の電気工作物により次に掲げる小売供給を行う事業(発電事業に該当する部分を除く。)を含むものとする。
 イ その供給区域(離島(その区域内において自らが維持し、及び運用する電線路が自らが維持し、及び運用する主要な電線路と電気的に接続されていない離島として経済産業省令で定めるものに限る。ロ及び第二十一条第三項第一号において単に「離島」という。)を除く。)における一般の需要(小売電気事業者又は登録特定送配電事業者(第二十七条の十九第一項に規定する登録特定送配電事業者をいう。)から小売供給を受けているものを除く。ロにおいて同じ。)に応ずる電気の供給を保障するための電気の供給(次項第二号、第十七条及び第二十条において「最終保障供給」という。)
 ロ その供給区域内に離島がある場合において、当該離島における一般の需要に応ずる電気の供給を保障するための電気の供給(以下「離島供給」という。)
 九 一般送配電事業者 一般送配電事業を営むことについて第三条の許可を受けた者をいう。
 
 第二章 電気事業
 第二節 一般送配電事業
 第一款 事業の許可
 (事業の許可)
 第三条 一般送配電事業を営もうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
 これは、改正前の電気事業法で定義されていた、旧一般電気事業者である10電力会社が相当する。
 10社の勢力範囲は、旧法より変わらず、次のとおりである。

送電事業者
 電気事業法には次のようにある。
 第一章 総則
 (定義)
 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 十 送電事業 自らが維持し、及び運用する送電用の電気工作物により一般送配電事業者に振替供給を行う事業(一般送配電事業に該当する部分を除く。)であつて、その事業の用に供する送電用の電気工作物が経済産業省令で定める要件に該当するものをいう。
 十一 送電事業者 送電事業を営むことについて第二十七条の四の許可を受けた者をいう。
 
 第二章 電気事業
 第三節 送電事業
 (事業の許可)
 第二十七条の四 送電事業を営もうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
 簡単には、自社がもつ送電設備を用いて、一般送配電事業者に振替供給を行なう事業を営む事業者をいう。
 2016(平成28)年7月29日現在、次の事業者が登録を受けている。

特定送配電事業者
 電気事業法には次のようにある。
 第一章 総則
 (定義)
 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 十二 特定送配電事業 自らが維持し、及び運用する送電用及び配電用の電気工作物により特定の供給地点において小売供給又は小売電気事業若しくは一般送配電事業を営む他の者にその小売電気事業若しくは一般送配電事業の用に供するための電気に係る託送供給を行う事業(発電事業に該当する部分を除く。)をいう。
 十三 特定送配電事業者 特定送配電事業を営むことについて第二十七条の十三第一項の規定による届出をした者をいう。
 
 第二章 電気事業
 第四節 特定送配電事業
 (事業の届出)
 第二十七条の十三 特定送配電事業を営もうとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
 (以下略)
 旧法の特定電気事業者のうち送電部門、および特定規模電気事業者のうち自営線での送配電部門などが相当する。
 資源エネルギー庁の「登録特定送配電事業者一覧」によると、2016(平成28)年10月11日現在、計17事業者とある。

発電事業者
 電気事業法には次のようにある。
 第一章 総則
 (定義)
 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 十四 発電事業 自らが維持し、及び運用する発電用の電気工作物を用いて小売電気事業、一般送配電事業又は特定送配電事業の用に供するための電気を発電する事業であつて、その事業の用に供する発電用の電気工作物が経済産業省令で定める要件に該当するものをいう。
 十五 発電事業者 発電事業を営むことについて第二十七条の二十七第一項の規定による届出をした者をいう。
 
 第二章 電気事業
 第五節 発電事業
 (事業の届出)
 第二十七条の二十七 発電事業を営もうとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
 (以下略)
 資源エネルギー庁の「発電事業者一覧」によると、電気事業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第72号)の附則の規定に基づき発電事業届出書の提出をしたとみなされる次の17事業者を含め、2016(平成28)年9月15日現在、計497事業者が確認できる。

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