鉄欠乏性貧血
読み:てつ-けつぼうせい-ひんけつ
外語:Iron-deficiency anemia
鉄欠乏症に伴う貧血。
概要
赤血球細胞内において、酸素運搬に使われる重要な蛋白質であるヘモグロビンを構成するために鉄が必要だが、これが不足して起こる貧血である。
日本人に多いとされ、日本の成人女性の約25%が発症しているとされる。
鉄不足の原因としては偏食、月経などによる出血などのほか、消化管出血、胃腸切除などに伴う吸収力の低下、あるいは成長期や妊娠中・授乳期での需要増加がある。
特徴
病因
体内の鉄は70%が血液中の赤血球のヘモグロビンに、残りの30%が肝臓や筋肉などに「貯蔵鉄」として蓄えられている。
鉄は消耗品なので、摂取よりも喪失の方が多くなると鉄欠乏となる。但し、体内には予備の鉄(貯蔵鉄)があるので、この鉄を使い切るまでは鉄欠乏性貧血にはならない。
鉄が欠乏するとヘモグロビンが減るため血色素量(血液のヘモグロビン濃度)が減少する。
病態
貧血症状一般が生じる(疲労、動悸、めまい、食欲減退、呼吸困難感など)。
治療
鉄剤の服用、または注射を行なう。
鉄の量が充分に増えるまでは比較的時間がかかり、数ヶ月程度は様子を見る必要がある。
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