輸血
読み:ゆけつ
外語:blood transfusion
健康な人から採取した血液、または血漿/血小板などの血液成分を、患者の静脈より注入すること。
概要
外科手術や外傷による失血、白血病など、血液関連の治療などのために行なわれる。
輸血の際には、赤血球の血液型であるABO式血液型とRh式血液型が最低限合わせられる。白血球と血小板の血液型であるHLAも重要で、合わない場合は副作用が起こることもある。血小板輸血などの時には合わせられる。
特徴
感染
輸血には、様々な病気を引き起こす懸念が存在する。
中でも代表的なものはウイルス感染である。HIVや肝炎ウイルスといったものが混入していないか調査され、万一検出されればその献血血液は廃棄される。
GVHD
輸血の副作用の中で、最も重いものの一つに移植片対宿主病(GVHD)がある。
拒絶反応は患者が輸血血液を異物として攻撃する症状をいうが、これと逆に移植片対宿主病(GVHD)は、輸血血液中の細胞(移植片)が患者の細胞(宿主)を異物として攻撃、損傷する病気である。輸血後GVHDには有効な治療法がなく、一度発症すると致死率も高い。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、放射線照射によって病原である細胞(リンパ球)を破壊して輸血血液を提供することとし、これによってGVHDを根絶した。
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