素数
読み:そすう
外語:prime number
2、3、5、7、11…のように、1とその数自身以外に
約数
を持たない、1より大きい
自然数
のこと。
目次
概要
種類
特殊な素数
特殊な素数の組
性質
素数の数
ベンフォードの法則
出現周期
素数の偏り
ラマヌジャン
主な素数
500未満の素数
最大の素数
3で始まり1で終わる数
概要
素数に1は含まれない。また2以外は全て
奇数
であり、2桁以上の素数の下一桁は1、3、7、9のいずれかとなる。
素数は自然数や整数を考える上で重要な要素と考えられている。
数学
としてだけでなく、暗号理論などにおいても用いられている。
現在知られる最も大きな素数は、GIMPSプロジェクトで2008(平成20)年に発見された45個目の
メルセンヌ素数
で、2
43,112,609
-1であり、その桁数は1297万8189桁である。同プロジェクトは46個目、47個目まで発見しているが、この二つは45個目より桁が小さかった(詳細後述)。
種類
特殊な素数
素数単独での特殊な素数。以下の式では、素数でないnも存在する。
メルセンヌ素数
: 2
n
-1
フェルマー素数: 2
2
n
+1
オイラー素数: n
2
+n+1
レピュニット素数: (1)
n
特に名前のないもの。
n!+1
n!-1
nまでの素数の積±1
素数そのものは無限に存在するが、こういった特殊な素数が無限に存在するかは未解明である。
特殊な素数の組
素数のうち一定の条件に一致する組み合わせを素数の組といい、特に研究されているものには次のようなものがある。
差を見るもの
差が2 [(p, p+2)] … 双子素数
差が2と6または4と6 [(p, p+2, p+6)または(p, p+4, p+6)] … 三つ子素数
差が2と6と8 [(p, p+2, p+6, p+8)] … 四つ子素数
差が4 [(p, p+4)] … いとこ素数
差が6 [(p, p+6)] … セクシー素数
ソフィー・ジェルマン素数と安全素数 [(p, 2p+1)] pと2p+1が共に素数であるとき、pをソフィー・ジェルマン素数、2p+1を安全素数という。
性質
素数の数
素数が無限に存在することは
ユークリッドの定理
により証明されている。
双子素数が無限に存在することは、2013(平成25)年5月、米ニューハンプシャー大の数学者によりほぼ証明された。
この証明では「間隔が7千万以内の素数のペアは無限にある」としているが、7千万という間隔は今後縮めていくことが可能としている。
ベンフォードの法則
物理学者フランク・ベンフォードが1938(昭和13)年に発見した分布法則で、ある(値の範囲が制限されていない)数値群を見たとき、最高桁が「1」である確率が最も高く全体の約30%、「2」は約18%、「3」は約13%、…のように大きくなるにつれ減り、「9」では約4%になる、というもの。
この法則は市場分析などに応用されてきたが、スペインの数学者Bartolo LuqueとLucas Lacasaが、この法則が素数の出現パターンにも当てはまることを解明した。
出現周期
素数の出現に関する周期性その他の法則は、見つかっていない。
法則性は未発見だが、同時に法則性が無いことも明らかにはなっていない。そして現実に、素数は整数の中から一様に出現しているように見え、ベンフォードの法則にも従っているように見える。
素数の偏り
ある素数と、その次の素数は、下一桁が一致するのを避ける傾向にある。
2桁以上の素数の下一桁は1、3、7、9の4種類なので、もし素数の発生が均等であるなら、ある素数の下一桁が1だとすると、その次の素数が1になる確率は1/4=25%と予測される。しかし2016(平成28)年3月11日にスタンフォード大学のKannan Soundararajanが発表した論文によると、10億個の素数を調べた限りでは、1で終わる素数の、次の素数の下一桁が1である割合は18%しかなく、3か7である割合が30%、9である割合が22%だった、としている。
ラマヌジャン
インド
の数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャン(Srinivasa Aiyangar Ramanujan)は、素数の研究者としても有名である。
一般的な素数の研究は、人よりも桁数の多い素数を人よりも早く発見することが主である。ラマヌジャンはそうではなく、素数の分布の研究、あるいは素数に分解可能で約数の多い数(高度合成数)の研究、などをしている。
こういった研究対象となる素数を、ラマヌジャン素数と言ったり言わなかったりするらしい。
主な素数
500未満の素数
参考までに、500
未満
の素数は次の95個である。
2
、
3
、
5
、
7
、
11
、
13
、17、19、23、29、31、37、41、43、47、53、59、61、67、71、73、79、83、89、97、101、103、107、109、113、127、131、137、139、149、151、157、163、167、173、179、181、191、193、197、199、211、223、227、229、233、239、241、251、257、263、269、271、277、281、283、293、307、311、313、317、331、337、347、349、353、359、367、373、379、383、389、397、401、409、419、421、431、433、439、443、449、457、461、463、467、479、487、491、499
ちなみに各範囲内での素数の数は次のとおり。
1,000未満なら168個
2,000未満なら303個
3,000未満なら430個
4,000未満なら550個
5,000未満なら669個
6,000未満なら783個
7,000未満なら900個
8,000未満なら1,007個
9,000未満なら1,117個
10,000未満なら1,229個
最大の素数
これを著している時点で、熱心に探索されているのは、
メルセンヌ素数
と呼ばれる素数である。
簡単には、2
n
-1で素数であるもので、現在、
GIMPSプロジェクト
が分散型コンピューティングでこの素数の探索を続けている。
2008(平成20)年8月現在で確定している最大は、歴代通算45個目のメルセンヌ素数2
43,112,609
-1で、1297万8189
桁
である。
なお、歴代通算46個目および47個目は45個目より桁が少ない。48個目以降で桁数の記録更新がなされる可能性がある。
3で始まり1で終わる数
31、331、3331、33331、333331、3333331、33333331、という7つの数はすべて素数である。
数列として面白いことから、このパターンで桁数の大きい素数を求める動きもある。
(10
200
-7)/3 = (3)
199
1<200桁>までで最大の素数は、(10
151
-7)/3 = (3)
150
1<151桁> であるらしい。
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