発振器
読み:はっしんき
外語:OSC: oscillator
連続した交流信号を発生させるための部品や装置で、発振回路などで作られる。オシレーターともいう。略して「OSC」。
概要
電波信号の元となる搬送波(キャリア)を作ったり、またはマイクロコンピューターを動作させるための同期信号を作ったりする際など、様々な用途に利用されている。
水晶発振器、自励発振器などがある。
特徴
発振子
水晶やセラミックの一部は、電圧を掛けることで形がひずむという性質(圧電効果、あるいは圧電逆効果とも)がある。
この性質を利用して、一定周期で細かく振動するように作られた部品が発振子である。
水晶は温度が上がると結晶構造が変化するため動きが変わる(発振周波数に誤差が生じる)という難点(温度特性)があるが、温度補償回路を内蔵した水晶振動器である温度補償水晶発振器(TCXO)といったものもある。
また、水晶より周波数の精度が劣るが、水晶より安定した温度特性を示すセラミック発振子といったものもある。
波形
出力を得るためにはエネルギーを入力する必要があり、供給するエネルギーは、通常は直流電源である。
発振される波形により、次のようなものに分類される。
- 正弦波発振器
- 矩形波発振器(方形波発振器)
- ブロッキング発振器
マイクロコンピューター用のクロック信号は、一般に正弦波発振器で発生させた正弦波が使われている。
日常
日常的には、水晶を用いた水晶発振器は充分に正確な発振をするため時計などに使われているが、しかし水晶は小型化が困難である。
マイコンに内蔵されるものは、精度がかなり劣るがトランジスタとコンデンサを組み合わせたCR発振を用いた発振回路が使われている。
2014(平成26)年6月12日、東芝が水晶発振器に匹敵する精度を持ったシリコン半導体製の発振器を開発したと発表した。水晶発振器の約1/3に小型化可能で、また半導体であるため、他の部品と一体集積も可能としている。今後は、CR発振回路がこの発振器に置き換えられていくものと思われる。
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