唐辛子 |
辞書:科学用語の基礎知識 生物名・植物編 (BBNP) |
読み:とうがらし |
外語:red pepper |
品詞:名詞 |
ナス科トウガラシ属の不耐寒性多年草、およびこの果実より作られる香辛料。多年草だが、日本のような寒冷地では越冬できないので、日本では1年草として扱われる。原産地は中南米。「チリ」「レッドチリ」とも。
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情報 |
分類 |
▼はAPG分類法における階層で、従来の階級にないもの。
科の下に亜科を置くこともある。
広義にはトウガラシ属に属する複数の種の総称である。
旧階層 |
古い分類法での階層構造は次の通り。
下位分類 |
広義にはトウガラシ属に属する植物すべてを唐辛子と呼ぶが、日本で広く栽培されている種は、Capsicum annumで種名として「トウガラシ」と呼ばれるものであるが、島嶼で栽培される島唐辛子は別種の「キダチトウガラシ」である。
トウガラシ属として広く栽培されている以下が、広義の唐辛子として扱われる。
概要 |
甘味種と辛味種 |
甘味種と辛味種に大別される。
辛味種の果実はホットペッパーと呼ばれ、香辛料として世界中で珍重される。
ちなみに甘味種とはピーマンやパプリカなどである。ししとう(シシトウガラシ)も甘味種だが、これはピーマンの一種とされている。
しかし、色も形も味も全く違うが、しかし全て同じ植物であり、栽培品種程度の違いしかない。
由来 |
原産は中南米で、南蛮船で西洋から日本に伝えられた。
唐辛子という名は、これが唐から来たと勘違いした日本人により名付けられたと言われている。
輸入 |
2005(平成17)年度には20ヶ国より輸入されたとされている。
輸入全体の8割が支那からである。
残りは、スペイン、南鮮、チリなどから少量となっている。
国産 |
量は多くはないが、国産の唐辛子もある。2010(平成22)年度の大まかな出荷量上位の県は次の通りである。
特徴 |
辛味 |
唐辛子は細長い実を付け、中は空洞で、ここに中に数十個の種子を有する。
種子は蔕(ヘタ)に繋がる胎座と呼ばれる場所に付着しているが、唐辛子の中では、ここに最も辛味成分カプサイシンが多く、つまりここが一番辛い。
生存のため動物に食べられないようにするためと考えられる。
普及 |
元々は、中南米で栽培されていた辛味種のトウガラシをコロンブスがヨーロッパに持ち帰り、これが品種改良を含めて普及したとされている。欧米では胡椒(pepper)と呼ばれることが多い。
トウガラシの辛味成分カプサイシンは暑い地域ほど多いとされ、ヨーロッパで栽培され始めるとカプサイシンの少ない甘味種のトウガラシが生まれた。やがて大型な品種が生まれ、これらがピーマンやパプリカになっていった。
種類と辛さ |
唐辛子などの辛さを表わすために、スコヴィルという単位が用いられている。
アメリカ等ではハラペーニョが香辛料として愛用されるが、この辛さは2500〜5000スコヴィルである。
かつて、世界一辛いとされた唐辛子、ハバネロの栽培品種の一つ「レッドサビナ種」は、辛さは30万スコヴィル以上、ギネスブックに掲載された記録は57万7000スコヴィルである。
2007(平成19)年に新たにギネス認定された世界一辛い唐辛子は、インド北東部アッサム地方原産の唐辛子「Bhut Jolokia」(ブート・ジョロキア)で、記録は100万1304スコヴィルである。
効能 |
辛味成分カプサイシンの効果により、興奮作用、血管拡張、血行促進、胃液分泌促進などがある。
その一方で、食べ過ぎは脳に悪影響を及ぼすと考えられており、現時点では朝鮮民族しか罹患していない火病(ファッピョン)を罹患する可能性がある。
リンク |
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