劣性遺伝 |
辞書:科学用語の基礎知識 生物学編 (BBBIO) |
読み:れっせい-いでん |
外語:recessive |
品詞:さ変名詞 |
優先度が低い、弱い遺伝のこと。
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概要 |
大文字Aが優性遺伝子、小文字aが劣性遺伝子とした時、Aa・AAではAが発現する。aが発現するにはaaでないとならない。
Aが発現する確率は3/4つまり75%であり、aが発現する確率は1/4つまり25%である。
特徴 |
ハツカネズミの例 |
ハツカネズミの体色は、野生型は灰色、異常型が黄色となる。正常な灰色では、灰色遺伝子(y)を持つ。対し、黄色では、黄色遺伝子(Y)を持っている。
さて、親が共にYyの時、yy・Yy・Yy・YYの四通りがありうる。
このとき、一つでもYがあれば体色は黄色である。しかしこの遺伝子は致死遺伝子であり、YYホモの場合は母体内で死亡するため生まれてこない。
この例では、優劣について二種類の考え方ができる。
同じ遺伝子でも、見方により優性にもなり劣性にもなる好例として、よく取り上げられている。
呼称について |
優性遺伝という名であるが、遺伝でいう優性・劣性・伴性という語は、遺伝子の強弱を表わすものであり、人間の価値観とは全く関係がない。
例えば、「自分が禿げてるのは家系、親父も祖父も禿げてるから劣性遺伝」などといった用例は、明確な誤用である。
遺伝病との関係 |
もし小文字aが遺伝病などを引き起こす遺伝子であっても、両親から遺伝しなければ発現しない。従って、発現しにくい遺伝=劣性遺伝、と呼ばれる。
人間の劣性遺伝病は1200種類以上が知られ、その多くは早発型で重篤である。
また、遺伝子の中には、致死遺伝子というのがある。ヘテロの状態では、体のどこかに異常はあっても致命的ではないが、その同じ形の遺伝子をホモで持つと致命的な状態となる。これも劣性遺伝である。
リンク |
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