リンパ系
読み:リンパけい

 動物において、血管系を補う役割を担う体液循環系。淋巴系。
目次

概要
 リンパ系は動物で進化した循環系であるが、動物が全てリンパ系を持っているわけではない。
 デボン紀より登場した脊椎動物の軟骨魚類以降に発達した器官であり、閉鎖血管系が生まれ進化するのと並行して登場した。
 血管は閉鎖系へと進化するが、リンパ系はなお開放系のまま残された。

特徴

機構
 全身に巡らされたリンパ器官(扁桃腺、胸腺、脾臓、リンパ節、リンパ管など)で構成される複雑な機構である。
 リンパ液と呼ばれる液の生成と循環が主な機能である。リンパ系は免疫系として機能するほか、脂質の輸送にも寄与するなど、様々な機能を持っている。
 かくして、リンパ系は血管を補う循環系となっている。

リンパ液
 リンパ管の中にある液体をリンパ液というが、これは細胞間を流れる体液の一つ組織液と同等である。
 リンパ液の出所は血管から漏出した血漿であり、細胞間隙を流れ組織液となった後にリンパ管へと流れ着く。
 全身より集められたこの組織液は、リンパ管を通り、リンパ節などを経て、再び静脈へと戻される。
 リンパ管の内容物は、血管とは違いポンプのようなものはなく、骨格筋の収縮などの影響を受けて移動する。

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