メートル |
辞書:科学用語の基礎知識 科学編 (NSCI) |
読み:メートル |
外語:m: me`tre |
品詞:名詞,長さ助数詞 |
cgs単位系、MKS単位系、MKSA単位系、ならびに国際単位系における、長さの単位。省略形および単位は「m」。日本では漢字で「米」と書く。
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定義 |
現在は、「299,792,458分の1秒間に光が真空中を伝わる行程の長さ」と定義されている。
この長さの定義は、1983(昭和58)年の第17回国際度量衡総会で決定したものである。
関連単位 |
国際単位系では、SI接頭語を付けることで微小または巨大な値を簡潔に表現できる。
以下は、SI的に可能性のありそうな単位である。実際には、その殆どは使用実績が無い。併記する漢字は日本における表記方法で、多くは国字であるとされている。
しかしヨタメートルなどの単位は現実的でなく、このような単位を使ってもヨタ話と言われる。
沿革 |
最初から現在の定義が決められたわけではない。ここに至るまでに幾多の変遷を経ている。
国際標準化前 |
昔は単位が混在しており、この統一が必要だと考えられた。これに力を入れたのがフランスだった。
幾つかの案が出された後、地球の大きさを基準とすることになる。赤道全周と子午線全周のいずれかで議論されたが、赤道全周は測量困難のため、最終的に「パリを通過する北極と赤道の子午線の長さの1000万分の1」とされた。
単位は寸法を意味するラテン語metrumから、me`treとなった。
1799(寛政11)年に、測量の結果に基づきメートル原器が作られ、これは「Me`tre des Archives」と呼ばれた。
メートル原器は、それ自体の長さではなく、原器に引かれた線の間を単位とする。
国際メートル原器 |
1872(明治5)年に国際メートル委員会でメートル原器が30本が作られた。この原器は重量に対し白金90%、イリジウム10%の合金である。
1889(明治22)年の第1回国際度量衡総会で、0℃で最も「Me`tre des Archives」に近い長さの一本が「国際メートル原器」に指定された。
しかし、かねてより精度について問題が指摘されていたため、他の方法による定義が模索され始める。
基準を光に |
そこで、光の波長を基準とすることにした。明るく、容易に得られる単色光であることが条件で、各国より様々な提案がされた。
そして1960(昭和35)年、第11回国際度量衡総会で「1メートルはクリプトン86(86Kr)原子の準位2p10と5d5間での遷移に対応する光の真空中での波長の1,650,763.73倍に等しい長さ」と定義された。中途半端であるのは、先にあったメートルの長さに合わせるためである。
しかしKrランプは再現性が悪かったため、これもすぐに問題となり、次なる定義が求められた。
かくして1983(昭和58)年、第17回国際度量衡総会で「1メートルは1秒の299,792,458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さ」とした。レーザー技術の発達とともに高い精度が得られるようになったほか、「真空中の光速」はアルベルト・アインシュタインの相対性理論の光速度不変の原理により、高い普遍性がある。
リンク |
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