まりも (植物) |
辞書:科学用語の基礎知識 生物名編 (BBN) |
読み:まりも |
外語:marimo |
品詞:名詞 |
緑色の真核藻類で、淡水藻。枝分かれした枝が球状を成すのが特徴。
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情報 |
植物か原生生物かというあたりで揉めており、界に相当する階層は混沌としている。
分類 |
特徴 |
DNA研究 |
かつてはシオグサ科シオグサ属に仮に分類されていたが、後のDNA研究により、シオグサ属とは異なる種であることが判明、新たにマリモ属(Aegagropila)が作られた。
まりもには様々な品種があるが、DNA研究により、日本のまりもはタテヤママリモ以外は全て同種と判明した。つまり、マリモ、フトヒメマリモ、カラフトマリモ、フジマリモ等は全て同種である。更に、リンネが採取したスウェーデンのダンネモーラ湖のマリモ(linnaei)や、オーストリーのツェラー湖のマリモ(sauteri)も、日本のマリモと同種と判明した。
そのため1990年代は学名はシオグサ属マリモ(Cladophora sauteri)であったが、現在はsauteriよりも前に命名されたlinnaeiを用いるのが適当と考えられ、学名はマリモ属マリモ(Aegagropila linnaei)となっている。
日本のまりも |
北海道の阿寒湖、釧路湿原に近いシラルトロ湖や塘路湖、また富士五湖の河口湖や西湖、山中湖などに生息する。
しかし、直径が20cm〜30cmもの立派な大型マリモは、今では世界でも北海道の阿寒湖でしか観ることができなくなっている希少生物である。
1921(大正10)年に天然記念物、そして1952(昭和27)年に国の特別天然記念物に指定された。
また、絶滅危惧種でもある。
浮き沈み |
まりもは時々浮き沈みをするが、これは光合成を行なうための行動の一つである。
まりもは光合成し、それにより酸素の気泡が生じる。これにより浮力が増し、浮かび上がる。水槽中では古くから確認されているが、天然の阿寒湖のまりもも、やはり浮き沈みすることが観測により明らかとなっている。
アイヌ語 |
北海道といえば元々アイヌの地であった。ただ、毬藻については、アイヌ語での表現があまり残されていない。
一説では、湖の化け物を意味する「ト ラサムペ(to rasampe)」と呼ばれていたともされるが、これは事実では無いともされる。
北海道の中南部、沙流地方では湖の輪を意味する「ト カリフ〓(to karip)」と呼ばれていたともされるが、沙流地方にはまりもは生息していない。
お土産まりも |
そもそもまりもは、国の特別天然記念物であり、絶滅危惧種であるので、阿寒湖にある球形のまりもを捕獲して販売しているわけではない。
藻そのものは湖の天然まりもが使われるが、それを手で捏ねて丸くしてお土産用として販売されている。
マリモのニセ物
中には、スポンジなどで作られた、明らかに生物でないものもある。容器が完全密封されたりしているものは、中に生物がいないことの証明でもあろう。
マリモの本物(お土産用の手捏ねマリモ)
手で捏ねたまりもは、見えるように瓶詰めされて売られることが多いが、中には缶詰めにして売られているものもある。
リンク |
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