蜘蛛膜下腔
読み:くもまく-かくう

 脊髄の表面にある膜である髄膜のうち、蜘蛛膜の下(内側)にある層。「蜘蛛」の字が当用漢字から漏れたため、かなでクモ膜、くも膜とも書かれる。
 この層は第四脳室などとの連絡があり、このため脳脊髄液で満たされている。そのその容積は約30[ml]である。脳室や蜘蛛膜下腔を満たす脳脊髄液により、脳は液中に浮かんだような状態となっている。
 また、脳や脊髄の表面を走る血管の大多数はこの蜘蛛膜下腔を走っているため、動脈瘤や動脈硬化があると、ある時突然破れてしまうことがある。これが蜘蛛膜下出血である。出血すると血液は蜘蛛膜下腔に貯留し、脳脊髄液に混入するが、血液は粘性が高いために髄液の流動を妨げ、様々な悪影響をもたらす。
 ちなみに、「下腔」は本来「かこう」と読むべきだが、医学界においては慣用的に腔を「くう」と読むため、下腔は「かくう」と読まれる。

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