疑似正弦波 |
辞書:科学用語の基礎知識 工学系技術編 (NENGI) |
読み:ぎじせいげんは |
外語:pseudo sine wave |
品詞:名詞 |
AC-DCコンバーター(インバーター)の出力する波形の一つ。
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概要 |
矩形波の途中に0Vの区間を設けることで、(+)→0V→(-)→0V→(+)のように正弦波のような電圧変化を再現したもの。
つまり、矩形波に0Vのステップがあるだけの波形であり、正弦波には遠く及ばない波形である。
AC100V出力として謳われる製品は、+約141V→0V→-約141V→0V→+約141V、を繰り返す(100Vでないのは交流は実効値で表示されるため)。
特徴 |
波形 |
疑似正弦波の波形例
単なる矩形波よりは正弦波に近いが、波形自体は矩形である妥協波形で、正弦波のような滑らかさはない。矩形波と正弦波の中間的な波形などとも呼ばれる。
間に何段階かの電圧を用意し、階段状ではあるが正弦波に近づける努力をすることもある。
本物の正弦波の波形例
大元の矩形波の波形例
由来 |
本当の正弦波に変換するには、大きさ、重量、効率、コストなど様々な問題があり、廉価かつ小型軽量で市販される必要がある家電製品では実現しにくい。そこで、やむを得ずこの波形を採用している。
例えば、乗用車のシガーライターソケットなどに接続するインバーター製品の多くはこの波形である。昔は正直に「矩形波」と表示されていたように思うが、最近はこれを「疑似正弦波」と表示することが多いようである。昔は本当に単なる矩形波だったためかもしれない。
これを正弦波の一種のように呼ぶのは、ほとんど詐欺に近い、非常に大それた行為であろう。
リンク |
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