性決定
読み:せいけってい

 雌雄が別の個体である生物(有性生殖を行なう生物)において、その雌雄が決定されること。
目次

概要
 有性生殖をする生物は、その性別に応じた生殖器官を持つ。
 一つの個体に雌雄双方の生殖器官が形成される雌雄同体の生物と、雌雄に応じた生殖器官のみが形成される雌雄異体の生物が存在する。
 性の決定方法は生物ごとに様々なものが存在しておりおり、一様ではない。このため、性決定のメカニズムは、由来は単一ではなく、偶然または必然で生じた複数の由来があるものと考えられる。

特徴
 性決定様式は様々あるが、概ね次のように分類できる。

雌雄異体

雌雄同体

状況

昆虫
 昆虫の場合は多様性に富んでおり、性決定すらも種による差が大きい。
 既知の範囲内ですら、性染色体によるもの(XY型、XO型、ZW型、ZO型)、常染色体性決定遺伝子を持つもの、挙句の果てには共生細菌が宿主昆虫の性決定システムを乗っ取っていて共生細菌によって性が決まるものすらもある。

爬虫類
 爬虫類の性決定は、次の二種類が知られている。

哺乳類
 ヒトはじめ、哺乳類の殆どすべては、性染色体により受精の瞬間に性別が決定しており、そしてX染色体Y染色体を用いる「オスヘテロ型(XY型)」である。
 この場合、正常な雌はXX、正常な雄はXYを持つことになる。
 哺乳類の代表的例外は、オスヘテロ型(XO型)のトゲネズミなど一部のネズミ類と、多くの性染色体を持つカモノハシである。特にカモノハシは、性染色体を5対10本も持っており、これは既知の哺乳類で最多である。
 なお、XO型の場合、正常な雌は2本のXX、正常な雄は1本のXを持つことになる。

鳥類
 鳥類などは、Z染色体W染色体を用いる「メスヘテロ型(ZW型)」である。この場合、正常な雌はZW、正常な雄はZZを持つことになる。
 なお、ZO型の場合、正常な雌は1本のZ、正常な雄は2本のZZを持つことになる。

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