大量絶滅 |
辞書:科学用語の基礎知識 生物学編 (BBBIO) |
読み:たいりょうぜつめつ |
品詞:名詞 |
一斉に多種類の生物が絶滅すること。地球環境は必ずしも安定しておらず生物の生存に適さなくなることもあるため、幾度となく大量絶滅が発生している。
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概要 |
ビッグファイブ |
顕生代に入ってから、少なくとも11回の大量絶滅が起きており、中でも五度の壊滅的な大量絶滅が存在する。これをビッグファイブという。
また、これ以外にも小規模の大量絶滅が何度かあったとされている。
大量絶滅の後 |
大量絶滅では、概ね生態系で優位だった種が脱落して絶滅する。このため、大量絶滅の後は、空いたその地位の座を埋めるように、生き延びた他の生物が繁栄する。
例えば恐竜絶滅後は、恐竜から進化していた鳥類が生態系で優位に立った。やがて哺乳類が進化すると、その地位を哺乳類が奪うことになる。
特徴 |
先カンブリア紀 冥王代〜太古代 |
地球誕生からまだ間もない、冥王代末期から太古代初期にかけての41億年前〜38億年前、この時期は太陽系の岩石惑星には小惑星が次々と衝突していたとする仮説があり、この時期を後期重爆撃期という。
対し、星間物質が衝突し集積して惑星を形作っていく期間を前期重爆撃期という。ジャイアント・インパクト説によると約45億年前にテイアが衝突し地球はどろどろの火の玉になるが、1億年ほどかけて徐々に冷えて固まり、海もできた。そこに、雨あられと隕石が降り注いだわけである。
既に海があったため後期重爆撃期の前に既に生物が誕生していたという仮説があり、これら仮説が全て正しいとすると、後期重爆撃期に生物の大量絶滅があったであろうことが推定される。
先カンブリア紀 原生代 |
藍藻(シアノバクテリア)など、酸素を発生させる光合成細菌が誕生して以降、この酸素によって偏性嫌気性菌の大量絶滅を招いた。
やがて大気中の二酸化炭素やメタンといった温室効果ガスを消費するようになり、これが原因で温室効果がなくなり氷河時代となり全球凍結まで招いたことから、シアノバクテリア自身も含む単細胞生物の大量絶滅があったと推定される。
そして原生代末、次の古生代 カンブリア紀との境界で、生物の大量絶滅があったことが分かってきた。これを「V-C境界」という(Vは原生代、Cはカンブリア紀)。
カンブリア紀末 |
カンブリア紀とオルドビス紀の境界(C-O境界)で、小規模な大量絶滅があったとされている。
オルドビス紀末 |
顕生代最初の大規模な大量絶滅で、オルドビス紀とシルル紀の境界(O-S境界)に、それまで繁栄していた三葉虫などを含む、当時の生物の8割程度が絶滅した。
その原因はいろいろな仮説が発表されているが、NASAは比較的近くで発生した超新星爆発に伴うγ線バーストによるとする仮説を発表しているほか、火山噴火の活発化にともなう地球寒冷化が原因とする仮説などがある。
デボン紀後期 |
顕生代2回目の大規模な大量絶滅で、デボン紀後期のフラスニアン期とファメニアン期の境界(F-F境界)に、当時の生物の8割程度が絶滅した。
こちらもその原因はいろいろな仮説が発表されているが、原因は特定されていない。
ペルム紀末 |
顕生代3回目の大規模な大量絶滅で、古生代 ペルム紀と中生代 三畳紀の境界(P-T境界)に、当時の生物の9割以上、ほぼ全てが絶滅した。僅かに残っていた三葉虫もこの頃に完全に消滅した。
氷河期が訪れ、また酸素濃度も減ったことが重要な要因となったと見られている。これ以降は、気嚢をもち低酸素状態でも生きられる爬虫類の時代となる。
三畳紀末 |
顕生代4回目の大規模な大量絶滅で、三畳紀とジュラ紀の境界(T-J境界)に、アンモナイトなどを含む、当時の生物の8割以上が絶滅した。これ以降、当時はまだ小型だった恐竜が台頭する時代となる。
原因として、火山活動によるもの説や、隕石の衝突によるもの説などがある。
白亜紀末 |
顕生代5回目の大規模な大量絶滅で、最後の大量絶滅である。中生代 白亜紀と新生代 古第三紀の境界(K-Pg境界)に、繁栄していた恐竜やアンモナイトを含む、当時の生物の7割程度が絶滅した。
この原因としては、大型の隕石(小惑星)の衝突によるものとする説が現状有力である。
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