三相交流 |
辞書:科学用語の基礎知識 電力編 (NPOW) |
読み:さんそう-こうりゅう |
外語:three phase A.C. |
品詞:名詞 |
3本の電力線で伝送する交流のこと。
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概要 |
ドイツのアルゲマイネ(Allgemeine)社のドリヴォ・ドブロウォルスキー(Dolivo-Dobrowolsky, Michael von)により考案され、その後の標準となった。
それぞれ2/3π[ラジアン](=120°)位相がずれたものを対称三相交流、そうでないものを非対称三相交流という。
電気技師は単相交流と区別するため、この三相交流を「動力」と呼ぶことが多い。その呼称通り、工場設備の大型モーターを稼働する用途などに多く利用されている。
特徴 |
相 |
3本の各電線を「相」といい、これが3本(3相)あるので三相交流という。
各相は、1相・2相・3相、あるいはa相・b相・c相などと呼び分ける。また、R相・S相・T相や、U相・V相・W相などともいう。
なお、どの線を1相とするか、というようなことは決まっていない。一般には、受電点などで1相・2相・3相を定め、以降は電線の色などで識別する。
電流 |
三相電流の特徴は、各線に流れる電流がそれぞれ消費電力の3の平方根分の1(1/3(1/2) = 1/√3 = 58%)で済む点が挙げられる。
例えば、消費電力100kWの設備を考える。
家庭用電源AC100Vで実現しようとすると、100,000W÷100V=1,000Aとなり1,000Aの電流が必要になる。AC200Vにしても100,000W÷200V=500Aとなり500Aもの電流が必要となってしまう。
これを三相交流の200Vで実現しようとすると、100,000W÷200V÷√3≒288Aで、288Aの電流で済むことになる。電流が少なくなれば電線の径をその分小さくできるという利点がある。
結線 |
種類 |
三相交流の場合、結線方法によって、次の三種類がある。
各相間の電圧を線間電圧、各相と中性線(接地)との電圧を相電圧という。
また、各相において、結線外の電流を線電流、結線内の電流を相電流という。
Y結線 |
Y結線は、三相(対称三相交流)の各層を、中性線で一括して接続するもの。
この結線方法は、線間電圧が相電圧の√3倍(約1.7倍)になる。例えば、相電圧が200Vであれば、線間電圧は約346Vになる。また、次の式が成り立つ。
皮相電力 = 相電圧×線電流×3 = 線間電圧×線電流×√3
Y結線においては、線電流と相電流は等しい。
Δ結線 |
Δ結線は、三相(対称三相交流)の各層を、相電圧が加わる向きに接続し、閉回路としたもの。図にした時に三角形となるため、Δ結線と呼ばれる。
この結線方法は、線間電圧と相電圧は等しい。また、線電流は相電流の√3倍(約1.7倍)になる。
V結線 |
V結線は、Δ結線から、一相(変圧器の巻線一つ)を除去したものである。
この結線方法も、線間電圧と相電圧は等しい。また、線電流も相電流と等しくなる。
柱上変圧器などでは、単相変圧器を二台組み合わせてV結線することで三相交流としている。
リンク |
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