ピクリン酸
読み:ピクリンさん
外語:PA: Picric acid

 ニトロ化合物の一つ。
 分子式C6H3O7N3分子量229.10。融点122℃〜123℃。引火点150℃、発火点300℃。沸点>300℃(爆発)。CAS番号88-89-1。化学名2,4,6-trinitrophenol(2,4,6-トリニトロフェノール)。常温では黄色固体。味は苦い。
 
 フェノールを直接ニトロ化しても得ることはできない。まず濃硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロスルホン酸などを作用させスルホン化した後、ニトロ化して製造する。
 爆発性があり、衝撃・摩擦・振動によって爆発する可能性がある。運搬時は20%程度のを加える。衝撃に敏感なので取り扱いには注意が必要。危険物の規制に関する政令では、危険物第五類(自己反応性物質)に分類される。爆発薬を除き劇物指定。
 かつては日本海軍がピクリン酸を主成分とした下瀬火薬という優秀な炸薬を用い、日露戦争で大日本帝国を勝利に導いたとされる。しかし衝撃に敏感すぎて事故が多かったと言われる。

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