痛みは高確率で見られるが、接種後半日ほど経ってから痛み出すことが多く、概ね翌日から数日間は痛む。これは筋肉注射では共通してみられるものである。
発熱は特に2回目の接種後に見られるが、これは体内での免疫反応によるものであり、つまりこの製薬が「効いた」ことを意味している。
重篤なアレルギーについては、7割程度は接種後15分以内に起こっており、その殆どはアレルギーの既往歴がある人である。このワクチンはドラッグデリバリー担体としてPEG化した脂質ナノ粒子(LNP)が使われているが、これが免疫反応を引き起こすと考えられている。 時間経過後の効果について
本ワクチンの接種後約5ヶ月間の有効性と安全性を調べた論文がNEJMに Efficacy of the mRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine at Completion of Blinded Phase として掲載されている。
本論文では、ワクチンとプラセボで半々で計約3万人が参加した臨床試験で、発症予防効果93.2%、接種後14日目後で無症状感染を予防する効果は63.0%、重症化を予防する効果は98.2%とされている。ワクチンの有効性は、人種、年齢、基礎疾患の有無など様々なグループ間で一貫し高い有効性を維持しており、安全上の懸念も確認されなかった。言うまでもなく素晴らしい成績である。
また従来あったファイザーのワクチンの臨床試験との違いとして無症状の感染者を調べている点が際立っており、本論文では無症状・有症状を含めた感染予防効果は82.0%だったとしている。この臨床試験により、改めてワクチンが「感染自体を予防する効果」があることが確認されたことになる。 再検索