オリーブ油 |
辞書:科学用語の基礎知識 化学物質・食品編 (NFOOD) |
読み:オリーブゆ |
外語:olive oil |
品詞:名詞 |
オリーブの実から搾りとられる植物油脂のこと。オリーブオイル。
最大の特徴は、実を丸ごと搾ることである。例えば、菜種油や大豆油などは、種子を搾っているが、オリーブ油は果実丸ごとであり、言うなればオリーブジュースである。
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化学的性質 |
占める脂肪酸のうち、7割強はオレイン酸である。
脂肪酸の割合は、オレイン酸(7割強)、リノール酸(1割弱)、リノレン酸(1%弱)とされる。
色は若干黄緑色がかっている。
特徴 |
特有の芳香と味を持つ。このため、この香りと味が好きな人にとっては、他に代替出来ないものがあると思われる。
用途 |
サラダ油などと同様の植物油で、食用としても良質の油である。
ドレッシングや魚のマリネ、スパゲッティなどに使われる。イタリア料理には欠かせない油である。
エクストラバージン |
オリーブ油は、オリーブを搾ったジュースだが、このうち実を最初に搾って得られた油(一番搾りの油)を「バージン」油という。
そして、バージンの中でも特にグレードの高い高品質のもの(後述)を集めた油を「エクストラバージン」油という。
エクストラバージンは、それだけにグレードの高い油であり、価格も高いが、香りも強い。生食に適している。
グレード |
スペイン・マドリッドを本拠とする国際的な政府間組織として「国際オリーブオイル協会」(IOOC)が、国際連合によって作られており、ここでオリーブ油のグレードについて明確化している。
また、オリーブ油を愛食しているイタリアでは法律によってグレードが明確化されている。
オリーブ油は、次のように分類され、都合8種類が存在する。
風味の善し悪しについては、IOOC認定のテイスターによって決められる。エクストラバージンとファインバージンの差は、酸度によって決められている。
このうち、日本で販売が確認されているのは、次の3グレードである。
四段階に分類されている。
エクストラバージンが最良で、ファインバージンまでは風味が満点とされる。
オーディナリーでも風味は良好であり、食用にも充分である。
ランパンテでは風味が悪く、そのままでは食用にはならない。食用とするためには、精製が必要である。
精製品は二種類ある。
精製オリーブ油とは、ランパンテなどを化学的に精製(脱酸、脱色、脱臭など)して酸度は0.3%以下とした、風味を改善した油をいう。
ポマース油とは、バージンオリーブ油を搾った後の残滓(=カス、ポマース)に残留する油分を、有機溶剤を使って溶出させたものである。基本的には食用ではないが、これを精製して酸度0.3%以下とし、国の基準を満たせば、食用としても販売は可能とされている。
ブレンドで作られた油で、二種類ある。
ピュアは、精製オリーブ油と、バージンオリーブ油をブレンドしたもの。単にオリーブ油と呼ばれることが多く、スーパー等で安価に売られているものは、このグレードが多い。バージンオリーブ油の量は、概ね10%以下。
ポマースは、精製オリーブポマース油と、バージンオリーブ油をブレンドしたもの。
消費量と雑学 |
植物油脂にはさまざまあるが、世界消費量では、オリーブ油の割合は僅か2%程度と言われている。参考までに、最も多いのは大豆油、次がパーム油である。
世界消費量の第一位はイタリアで、イタリア料理を代表する油だが、世帯あたりの消費量では第一位はギリシャである。
また、生産量の一位はスペインであり、イタリアではない。イタリアは、世界一オリーブ油を輸入する国である。
注意点 |
なお、慣れていない人がいきなり大量に摂るとお腹を壊すこともあるので注意が必要である。
リンク |
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