ATACS
読み:アタックス
外語:ATACS: Advanced Train Administration and Communications system
JR東日本が中心となって開発した保安装置の名称。2011(平成23)年9月10日に仙石線で運用開始。
概要
列車から運転司令に対し、ディジタル無線通信で各種情報を伝送し、それを運転指令のコンピューターが解析して列車などに情報を返す。
運転指令は、先行列車、停止目標位置、曲線、速度制限などを常時把握しながら列車のブレーキなどの制御を行なう。また、運転指令は必要があれば分岐器の操作や踏切の制御なども行なう。
特徴
利点
無線を利用することで軌道回路と通信ケーブル、信号機などの地上設備を大幅に省略し、また自動列車停止装置(ATS)も不要になるなどで全体的なコストダウンを狙っている。
また、運転士による信号機の見落としなどのミスも防止できる。
仕様
仕様は定かではないが、以下のような仕様が流布されている。
あくまで「噂」であって、本当かどうかは定かではない。
- 変調方式 ‐ π/4 QPSK
- 周波数帯 ‐ 352MHz帯、336MHz帯
- 送信出力 ‐ 3W
- 帯域幅 ‐ 5.8KHz
- 伝送速度 ‐ 9600bps
- アクセス方式 ‐ TDMA
- 誤り検出 ‐ CRC
- 情報量 ‐ 576bit
現状
安全性の高いシステムが安価で構築できるとされ、類似の技術が世界各国で競うように開発されている。
日本では世界に先駆けて1998(平成10)年に仙石線で基礎実験を行ない成功した。その後も、仙石線で引き続いて終電後の深夜において実用化試験が続けられた。
JR東日本では2011(平成23)年の実用化を目指して仙石線では実用化工事が行なわれていた。もともとは2011(平成23)年3月末に導入が予定されていたが、東日本大震災により仙石線が被害を受けたことから半年延期され、2011(平成23)年9月10日より運用が開始された。
また、2017(平成29)年秋から埼京線(路線名は赤羽線と東北本線・別線)の池袋〜大宮間にも導入される。
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