デッドセクション
読み:デッドセクション
外語:dead section

 電化区間で、架線があっても電気が流れていない部分のこと。「死電区間」「無電区間」などとも。
目次

概要
 直流同士、直流と交流、交流同士の大きく三種類があり、それぞれ、直直セクション、交直セクション、交交セクションと呼ばれている。
 この部分は原則的に惰行することになっており、加速や停止は禁止されている。
 また回生ブレーキも使えないが、AT饋電方式の交交セクションでは、その必要はない。

特徴

直直セクション
 直流同士だが、電圧が違う場合、あるいは乗り入れ線など鉄道会社が異なるような場合、両者の架線電流を分離するためにデッドセクションが設けられる。

同電圧
 東北本線と東武日光線が接続し特急列車(日光・きぬがわ)が乗り入れをしている栗橋駅では、相互の連絡線の架線にデッドセクションが存在する。
 双方とも1500V直流電化で互換性があるが、このようなものは直流同電圧セクションと呼ばれている。

異電圧
 異電圧の直直セクションとしては伊予鉄道 松山市駅がある。
 この駅は同鉄道の郡中線、横河原線、高浜線の三線が接続する駅だが、郡中線と横河原線が750Vなのに対し、高浜線だけ600V電化となっている。しかし三線は松山駅で直結され、相互に乗り入れをしている。
 高浜線は大手町駅と古町駅の二箇所で路面電車の松山市内線と交差しており、路面電車の電圧に合わせたことからこのようになっている。
 特徴的なのは、異電圧の接続箇所に「セクションストッパ」と呼ばれる装置を挟むことで、セクション通過時(電圧変化時)に停電しない、つまりデッドセクションが存在していない点が挙げられる。

交直セクション
 交流電化区間と直流電化区間の境界にあるのが交直セクションで、デッドセクションの中では最もありふれたものである。
 このデッドセクションは、その特徴から電車は交直流電車のみが通過でき、さもなくばディーゼル機関車等が必要である。

交交セクション
 交流同士だが、相互に互換性がない場合にデッドセクションが設けられる。
 一般的には、次の二つのケースがある。
 交流電化でも、在来線は一般に20kV、新幹線は25kVである。新幹線から在来線の線路に直接乗り入れるミニ新幹線が普及しているが、電圧の切り替え地点に交交セクションが設けられる。ここを通過できるのは、両方の電圧に対応した専用車両のみである。山形新幹線や秋田新幹線は、対応する専用車両を使っている。
 周波数が異なる場合の交交セクションは例が少ないが、北陸新幹線(長野新幹線)は地上設備のコスト削減のために50Hz/60Hz電化とし、電車側で両周波数に対応することとした(電圧は双方とも25kVで同じ)。境界は軽井沢・佐久平駅間にあり、交交セクションが設けられている。

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