シーランド公国
読み:シーランドこうこく
外語:Principality of Sealand

 西ヨーロッパの国の一つ。
目次

情報
 東経1°28′51″、北緯51°53′42″に存在する。

基礎情報

一般情報

通信

政情、内政

外交、防衛

経済

国旗
 

歴史

沿革
 イギリス本島東部の沖合6マイル(9.6km)の公海上に海上要塞として作られ、モンテビデオ条約の定義に基づく国家として、1967(昭和42)年に主権を有する公国として独立した。
 旅券および切手は1969(昭和44)年より発行されている。
 初代君主のPaddy Roy Bates公は2012(平成24)年10月9日(英国時間)に91歳で崩御あらせられ、同日、摂政のMichael Bates公が二代目の君主に即位した。

要塞
 もともとこの要塞は、第二次世界大戦中にイギリス軍がナチスの飛行機を攻撃するために作ったもので、大きさは幅約9m、長さ約23mほど、面積は207m2の小さな島である。テニスコート1面よりも狭い。
 これをHavenCo(ヘイブンコー)社がデータ管理施設に作り替え、そしてそれを「独立国家」とした。

裁判
 もちろん寝耳に水のイギリスは退去させようとし裁判を起こすが、
 などから何と敗訴してしまい、モンテビデオ条約に基づいた、一応の独立国として認められることになった。
 なお、この当時のイギリスの領海は3海里(6km)であった。1987(昭和62)年以降は12海里(22km)となり、以降は理論上はシーランド公国全土がイギリスの領海内に含まれる。

独立国
 こうして世界最小面積の自称国家となったが、このシーランド公国を独立国として承認している国は一つも存在しないため、これを国と呼ぶことは国際法上は不可能である。
 日本も独立国としては認めておらず、外務省のサイトには記述さえない。ただのネタとしか思われていないようだ。
 但し、モンテビデオ条約の第一条には、国家の要件として次のようにある。
 第1条(国家の要件)
 国際法人格としての国家は、次の要件を要する。
 a 永久的住民
 b 明確な領域
 c 政府
 d 他国と関係を取り結ぶ能力
 つまり、次の条件が必要ということである。
  1. 国民がいること
  2. 領土を持つこと
  3. 政府が存在すること
  4. 外交能力があること
 シーランド公国はこれを全て満たしており、ゆえに「国家」だとされている。

売りに出される
 2007(平成19)年1月8日、英紙報道によると、ベーツ公らがこの国の売却先を探しているとされた。
 報道では、売り主は1000万ポンド(約23億円)以上の値を期待しているとしている。
 しかしながら、これほどまでに名実ともに「売国奴」である者は、人類史上初であろう。
 2009(平成21)年現在、これを買った人や国は知られていないが、日丸屋秀和著マンガ作品「axis powers hetalia」(ヘタリア)では、オークションに出されたシーランド公国を落札したのはスウェーデンという設定になっている。

状況

環境
 360度のオーシャンビューを特徴とする。つまり、周りは海である。
 農耕や牧畜は不可能なので、水や食料品は全て輸入に頼る必要がある。つまり食料自給率は0%である。
 電力はあるが、発電機が振動するため住環境は極めて悪いとされる。

産業等
 この国は、法の規制を受けない場所作りを目指しているとされ、特にデータトラフィックを規制する法律がない。
 情報や通信分野に於いての違法行為のメッカとなりうる場所であるが、この国でサービスを提供しているHavenCo社のサーバーでの禁止事項に、
 などがあるため、これらは行なうことができない。
 しかし米国でRIAA(米国レコード産業協会)が強引にNapsterのサービスを停止させれば、今後はシーランドで同様のサービスを始めようとする者が表われたりする。このため、シーランド公国はインターネット・データ・ヘイブン(避難地)とも呼ばれている。
 また脱税のためのタックス・ヘイブンとも呼ばれているらしい。

軍事
 著作権を取り締まる法律と同時に満足な軍隊も無いようなので、いかにも暴力的な敵の多そうなこの国、ミサイルでも打ち込まれたら一貫の終わりという気もしないでもない。
 しかしこの国は決して非武装中立などではなく、軍備として兵隊1名に、ショットガン1丁を配備しているそうである。

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