運転免許証
読み:うんてんめんきょしょう
外語:driver's license card
車両
(
自動車
、
原動機付自転車
)の運転資格があることを証明するための証書のこと。日本ではカードになっている。
以降は、日本のものを前提として説明する。
目次
概要
特徴
表示内容
免許の種類
14欄方式
12欄方式
ビット方式
帯の色
有効期限
補足
運転免許番号
ICカード免許証
概要
現在の免許証は8.56cm×5.40cmである。
IC化前のものは、通常のラミネート式で0.50cmだったが、IC化されたものは0.76mmと若干厚みが増し、かつ固くなった。
IC前はラミネート層を含めて二層の貼り合わせであったが、IC化されたものはIC層を含めて三層になっている。
特徴
表示内容
日本の運転免許証は、初期と現在ではかなり違うものの、大まかな配置に変更はない。
最上段には氏名生年月日や住所、本籍、交付の日時と番号が記載される。
中央は有効期限、免許の条件等、そして中央右端が顔写真である。免許の条件等は最大4行で、それを超える場合は4行目を「以下備考欄」とし、裏に書かれる(ややこしい条件が付く場合は、手書きが多い)。
下段は、免許証番号、左下が取得した年月日(第一種免許の二・小・特とその他、第二種免許の三種類)、右下が免許の種類とその有無である。
免許の種類
14欄方式
2007(平成19)年6月2日の法令改正以降のものは、7列2段で、所持しているものの名前が記載される形式である。
フルビット
(後述)状態では、次の表示になる。
大型
中型
普通
大特
大自二
普自二
小特
原付
け引
大二
中二
普二
大特二
け引二
12欄方式
ビット方式を廃止して採用された方式。6列2段で、所持しているものの名前が記載される形式である。
フルビット状態では、次の表示になる。
大型
普通
大特
大自二
普自二
小特
原付
け引
大二
普二
大特二
け引二
長く続いたが、「中型免許」「中型第二種免許」が新設されたことで2欄の追加が必要になり、14欄方式に移行した。
ビット方式
所持しているものは1、ないものは0という「ビット」方式である。
免許の種類が増えるごとに次々と追加されたため様々な種類があるが、知られる限りでは次のような配置である。
(自動二輪が一つだった頃)
大型
普通
大特
自二
小特
原付
けん引
大型二
普通二
大特二
けん引二
(自動二輪が大自二と普自二に別れた頃)
大型
普通
大特
大自二
普自二
小特
原付
け引
大二
普二
大特二
け引二
これら免許の種類の種類名は縦書きで、その上に0または1が表示される。このため「全ビットを立てる」のが趣味として成立し、全ビットを立てたものを「
フルビット
」、そのような免許所持者を「フルビッター」と呼んだ。
現在はビット方式ではないが、この呼称は現在でも使われている。
帯の色
1994(平成6)年の道路交通法改正により導入された制度で、帯は次の三色に分類される。それぞれで有効期限が異なる。
緑(グリーン免許) 3年間
青(ブルー免許) 3〜5年間
金(ゴールド免許) 3〜5年間
初めて運転免許証を取得する者はグリーン免許である。3年後に更新するか、直後であっても他の免許を取得すればブルー免許になる。
免許を取って5年以上の者は、ブルー免許の期間中に無事故無違反(事故は、軽微な物損事故を除く)を続けると、仮にペーパードライバーであっても、更新によりゴールド免許となる。
ゴールド免許の場合、免許の条件等の欄の左下に「優良」と記載される。
有効期限
2002(平成14)年6月1日から施行された道路交通法改正により、運転免許証は誕生日の1ヶ月後まで有効となった。
それまでは、「平成○○年の誕生日まで有効」と書かれていたが、これ以降は「平成○○年○○月○○日まで有効」と、誕生日の1ヶ月後の日付が記載されるようになった。
またこの改正により、運転免許証の有効年が、原則3年から原則5年に延長となった。
運転免許を受けていた期間が継続して5年未満 → 3年(グリーン免許またはブルー免許)
運転免許を受けていた期間が継続して5年以上
過去5年間に人身事故や軽微な違反が2回以上 → 3年(ブルー免許)
過去5年間無事故・無違反(軽微な物損事故を除く)
有効期間の満了する日の年齢が70歳以下 → 5年(ゴールド免許)
有効期間の満了する日の年齢が71歳丁度 → 4年(ゴールド免許)
有効期間の満了する日の年齢が72歳以上 → 3年(ゴールド免許)
過去5年間に軽微な違反が1回のみ
有効期間の満了する日の年齢が70歳以下 → 5年(ブルー免許)
有効期間の満了する日の年齢が71歳丁度 → 4年(ブルー免許)
有効期間の満了する日の年齢が72歳以上 → 3年(ブルー免許)
補足
運転免許番号
免許証番号は、4桁が三つで計12桁である。
「AABB CCCC CCDE」という形式で5種類の情報が含まれている。内容は次の通り。
AA ‐ 最初に免許証が発行された県の番号(JIS等でなく独自の附番)
00番台 ‐ その他
10番台 ‐ 北海道
20番台 ‐ 東北地方
30番台 ‐ 東京都
40番台 ‐ 関東甲信越地方
50番台 ‐ 北陸中部地方
60番台 ‐
関西地方
70番台 ‐ 中国地方
80番台 ‐
四国地方
90番台 ‐ 九州地方/沖縄
BB ‐ 最初の発行年の西暦下二桁
CCCCCC ‐ 個人番号(AA+BB+CCCCCCで一意となる)
D ‐ チェックディジット
E ‐ 再交付の回数の下一桁
CCCCCCがどのような基準で振られているのかは公表されておらず、定かではない。AA+BBの範囲内で重複しないように、連番または乱数で附番されていると思われるが、学科試験の点数が隠されているという噂も根強く存在する。
チェックディジットは、1桁目から10桁目(AA+BB+CCCCCC)に対し、
モジュラス11
ウエイト2〜7で算出した値の下一桁である。1桁目から5、4、3、2、7、6、5、4、3、2を各桁に掛けて足し、和を11で割り、11からその
剰余
を引いた差の下一桁がチェックディジットとなっている。
再交付の回数は、紛失等に伴う再発行時に1ずつ増えてゆく。最大は9で、その次はまた0に戻るという噂があるが、未確認である。なお、免許取消や失効後に新たに取得した場合は新しい免許番号となる。
ICカード免許証
ICカード化された運転免許証である。様々な呼ばれ方をしている。警視庁や各地方の道府県警は「ICカード免許証」「ICカード運転免許証」「IC免許証」などと呼んでいるようである。
カードは
ISO/IEC 14443 Type B
(JIS X 6322 B型)(非接触・近接型)であり、政府や自治体がよく採用している種類となる。
交付する都道府県を問わずすべて仕様は(当然ながら)共通で、メモリー容量は8Kiバイトとされる。うち、OSに2Kiバイト、記載事項に4Kiバイト、顔写真に2Kiバイトを用いているとする。
顔写真の圧縮アルゴリズムは
JPEG 2000
だが、写真用の容量が2Kiバイトしか容量がないためか、券面の写真がカラーなのに対して、IC内の写真はモノクロ写真である。
パスワードは2種類あり、おのおの、4桁の暗証番号(4桁の数字)となっている。暗号化は公開鍵暗号方式の
RSA
が使われている。ICチップ内の情報を読むためには、一つまたは二つの暗証番号の入力が必要である。
一つ目の暗証番号で本籍と写真以外の券面の情報が参照でき、二つ目の暗証番号で本籍と写真が確認できる。
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