トンネル
読み:トンネル
外語:TN: tunnel

 隧道(すいどう、ずいどう)。山腹や地下を掘って作った通路のこと。略称TN。
目次

概要
 例えば、通るべき道の前に山が立ちはだかる。
 大昔であれば、仕方なく峠道などとして山を登り山を下る道を作ることになるが、このような道は歩くのも大変で、また乗用車の通行なども大変である。
 そこで山をくりぬいて通れるようにする。これが隧道、トンネルである。

特徴

状況
 日本には沢山のトンネルがある。
 一般道でも掘られるが、高速道路の場合は走行性確保、また市街地などの場合で立ち退き等が困難な時に地下を通すことがある。
 走行性確保の場合、急激な上り坂や下り坂、カーブなどを避ける必要がある。一般道であれば坂や迂回で解決する所でも、高速道路では危険なので、トンネルを掘って安全に走行できるようにすることがある。

補修
 トンネルは、一度造っても、半永久には使えない。自然の力は、トンネルの穴を塞ごうとするからである。
 老朽化したトンネル(老朽トンネル)は、補強や補修をする必要がある。
 なお、廃道(廃トンネル)は埋められたり、または補修すらされず放置されることもあるが、大変危険なので通常は出入口は封鎖され、人が立ち入りしないようにしている例が多い。
 このような廃トンネルは、いずれ自然の力により潰れ、塞がれることになる。

資料

トンネル数
 道路統計年報(2006(平成18)年4月1日現在)によると、道路に関するトンネルの数と延長は次の通りである。
道路の種類箇所数延長(km)
高速自動車道路743701
一般国道総数3,4021,522
(国の管理)(1,150)(600)
(都道府県の管理)(2,252)(921)
都道府県道2,387711
市町村道2,438378
合計8,9703,312
 日本では、全国で8000以上のトンネルがある。
 都道府県別では、一位は大分県の518箇所、二位は千葉県の426箇所、三位は北海道の384箇所となっている。
 新規に作られる数より廃トンネルになる数の方が多いらしく、千葉県や北海道のトンネル総数は徐々に減少している。

宇津ノ谷トンネル

有料トンネル
 日本初の有料トンネルは、東海道の難所、宇津ノ谷峠に1876(明治9)年に掘られたものであった。
 地元の有志により掘られた203メートルのトンネルとされ、馬車や人力車を主たる対象に有償で供用された。
 通行料は「道銭(どうせん)」と呼ばれ、料金所は「道銭場」と称された。

その後
 この峠にはその後も次々とトンネルが掘られ、二代目は1926(昭和元)年、三代目は1959(昭和34)年、四代目は1998(平成10)年に掘られた。
 それぞれ、「明治のトンネル」「大正のトンネル」「新宇津之谷隧道」「平成宇津ノ谷トンネル」などと呼び分けられ、総称は「宇津ノ谷トンネル」だが、全て現役で使われている。
 平成より東側に「つたの細道」(蔦の細道)という道が復元整備されている。
 旧東海道は明治のトンネルの上となるが、現在は門が設置され、通ることができなくなっている。

日本初の鉄道山岳トンネル
 日本にはイギリス人やドイツ人技術者の指導の下で鉄道が敷かれ、この頃に多くのトンネルが掘られた。
 外国人に頼らず、日本人の手のみで掘削された初の鉄道トンネルは、1879(明治12)年に開通した、現在の滋賀県大津市逢坂に掘られた旧「逢坂山隧道」とされている。これは、日本初の鉄道山岳トンネルとされている。

日本初の沈埋トンネル
 沈埋トンネルとは、海底に溝をあらかじめ彫り込んでおき、ここにトンネルの構造体「沈埋函」(ケーソン)を沈めて土を被せる、という工法で作るトンネルである。
 沈埋函を連結した後、中の水を抜いて舗装などをする。
 現在では、高速湾岸線(B)の川崎航路トンネルや多摩川トンネルなどのように多数作られているが、日本初の沈埋トンネルは1944(昭和19)年に開通した大阪の「安治川隧道」であった。
 かつては乗用車も通行できたが現在は廃止、歩行者と自転車のみ通行可能となっている。

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