帷幄上奏
読み:いあくじょうそう
大日本帝国憲法下の統帥権独立に基づき、参謀総長、軍令部総長(海軍軍令部長)、陸軍大臣、海軍大臣が、政治を治める内閣総理大臣から独立して軍機・軍令事項に関して天皇に上奏すること。
1889(明治22)年の内閣官制により、今まで慣行化されていたものが制度化され、内閣総理大臣の国務上の輔弼事項の例外とされた。
昭和期の軍部、特に陸軍は処任事項以外の事項まで帷握上奏する輩も居たが、昭和天皇は責任の所在をはっきりさせるという理由から、そういった行為を忌み嫌った。
この制度は(帝政)ドイツに倣ったものであるが、ドイツでは大功者の(大)モルトケにのみ許されていた特例であり、そのモルトケも軍事に関わる事柄以外で帷幄上奏したことは無かった。
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