十如是
読み:じゅうにょぜ
妙法蓮華経第一巻の「方便品第二」で説かれる法華経の精神の神髄で、実相とは何かを語ったもの。
概要
如是相、如是性、如是体、如是力、如是作、如是因、如是縁、如是果、如是報に加え、如是本末究竟等が説かれる。
如是相から如是報までの意味は次のとおり。
- 如是相(にょぜそう)は外から捉えられる姿
- 如是性(にょぜしょう)は内面の姿
- 如是体(にょぜたい)は相と性を合わせたもの
- 如是力(にょぜりき)は相・性・体に内在する力
- 如是作(にょぜさ)は力が実際の作用となること
- 如是因(にょぜいん)は内在する原因
- 如是縁(にょぜえん)は因を補う外来からの助縁
- 如是果(にょぜか)は因と縁から生じる結果
- 如是報(にょぜほう)は因果がいずれ生じること
そして最後の如是本末究竟等(にょぜほんまつくきょうとう)は、最初の相を本、最後の報を末とし、本から末までは一貫する原理であり一生命の姿であり、その帰結は同一であって、結論としては実相を見極める一つの智慧が存在するだけなのだ、ということを示すとされる。
もって、仏とはこの智慧を完全に身につけた存在なのだとする。
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