殺人罪
読み:さつじんざい

 殺人を犯すことで成立する罪。刑法では「殺人の罪」と言う。
目次

概要
 刑法では、第二十六章に「殺人の罪」がある。
 関連する法律や条文は次の通り。

殺人の罪

予備、未遂
 殺人の罪には予備罪と未遂罪が存在する(刑法第201条、第203条)。
 刑法43条で未遂減免が規定されている。同条の前半にある何らかの理由で遂げられなかった場合、同条の後半にある自身の意思で思いとどまった場合、「その刑を減軽し、又は免除する。」とされてはいるが、いずれも犯罪として成立する。

刑法
 殺人の最高刑は死刑である。刑法に次のように規定される。
 第二十六章 殺人の罪
 (殺人)
 第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
 自殺の手助け(自殺関与及び同意殺人)も刑法罪であり、刑法に次のように規定される。通常の殺人より刑は軽い。予備罪は無いが、未遂罪が存在する。これは、身内による例や、医師による安楽死などの例がよく知られる。
 (自殺関与及び同意殺人)
 第二百二条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。
 未遂罪については刑が定められていないが、罰せられる。
 (未遂罪)
 第二百三条 第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。



決定方法
 刑は、「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」(法定刑)を基準として、必要に応じて刑を加重減軽する。
 この場合は、死刑、無期懲役、有期懲役のいずれかを決めた上で(刑法第六十九条)、加重減軽が必要な場合は加重減軽の順序(刑法第七十二条)に従って修正した刑(処断刑)の範囲内で、裁判官が具体的な刑(量刑または宣告刑)として、懲役または禁固の刑期などを決定し、言い渡す。

加重減軽
 犯罪結果の重大性を見れば、殺人(被害者は死亡)より殺人未遂(被害者は生存)の方が罪が軽くなることは当然だが、具体的な刑についてはそれ以外の要因、例えば犯行の計画性、動機、方法の残忍性、社会的影響の重大性、反省の態度といったものも加味される。
 殺人でも執行猶予が付くことは決して珍しくはないが、殺人未遂でも極めて計画的で、単に殺害に失敗したような状況では執行猶予は付かず長い刑期が言い渡されることもありうる。

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