暴行罪
読み:ぼうこうざい

 暴行を犯すことで成立する罪。刑法第208条。
目次

概要
 刑法では、第二十七章「傷害の罪」の中に、定義がある。
 刑法上は「暴行の罪」が正しい呼び方だと思われるが、刑法中には「暴行」としか記載がない。

暴行の罪

予備、未遂
 暴行の罪には、予備罪や未遂罪は無い。
 従って、実際に犯行に及んだ場合にのみ、犯罪として成立する。

刑法
 殺人の最高刑は死刑である。刑法に次のように規定される。
 第二十七章 傷害の罪
 (暴行)
 第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
 つまり傷害罪(傷害の罪)の一種であり、傷害できなかった場合に暴行罪となる。


 刑は、「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」(法定刑)を基準として、必要に応じて刑を加重減軽する。
 この場合は、懲役、罰金、拘留、科料のいずれかを決めた上で(刑法第六十九条)、加重減軽が必要な場合は加重減軽の順序(刑法第七十二条)に従って修正した刑(処断刑)の範囲内で、裁判官が具体的な刑(量刑または宣告刑)として、懲役の刑期などを決定し、言い渡す。

暴行要因

暴行
 暴行とは、「身体に向けた」「有形力の行使」を広く言う。次のような行動が該当するとされている。
 つまり、直接力が加えられる必要はない。肉体的な暴力に限らず、臭い、強い光、大きな音や、ものを投げつける、といったものも暴行罪または傷害罪の対象となりうる。
 このうち、実際に身体的な傷害が生じた場合は、故意であるか否かに関わらず傷害罪が成立し、より重い罪となる。

主な例

報道用語
 日本の報道で暴行といった場合、隠語であることがある。
 例えば「婦女暴行」と報じられれば、これは強姦のことである。暴力をふるっただけの普通の暴行は「殴る蹴るの暴行」と報道される。

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