文型
読み:ぶんけい

 言語で、文中における語順の規則。
目次

概要
 文のうち、主語(S=Subject)、目的語(O=Object)、動詞(V=Verb)の語順を特に文型という。
 この組み合わせにより、次の6通りが可能となる。

特徴

分布
 概ね、次の3種類が圧倒的多数を占める。
 それ以外の言語は、少数派である。
 ここから判断できるとおり、大部分の言語ではO(目的語)は常にS(主語)の後であり、OがSに先立つことは極めて稀であることが分かる。

ヨーロッパ系言語
 イタリア語やフランス語の場合、原則はSVOだが、Oが代名詞の場合はOが直前に置かれる(つまりSOV)。
 イタリア語では主語の人称と数で動詞の活用が決まるので、主語の人称代名詞は省略可能(これは文型の話ではないが)。
 ラテン語ではS、Oは格変化で示され、語順は任意である(日本語も基本はVが最後だが、SとOは助詞で示されるので順序は任意であるのに似ている)。
 また、ラテン語、イタリア語、フランス語では原則として名詞+形容詞の順序である。

オブジェクト指向
 コンピューター分野においては、オブジェクト指向という考え方がある。
 人間の自然な考え方に逆らわない表現方法で、言語学的に表現すると、目的語+動詞、となる。主語を最初に表現すればSOV文型であり、日本語などの語順に近い。
 英語などのSVO文型の語順は、自然な思考の順番に反するというのが一般的な学説である。
 なお、更に思考の順番に逆らわない自然な順番を考えると形容詞の位置も重要で、ジェスチャーで表現するなら名詞+形容詞となり動詞と同様の扱いとなるはずだが、SOV文型の日本語も、SVO文型も英語も、形容詞+名詞となっている。

逆ポーランド記法
 コンピューター分野においては、逆ポーランド記法という数式の表現方法がある。
 これは論理学であって言語学とは本来何の関係もないが、被演算数,被演算数,演算子、という語順は、日本語に近い。
 例えば1+2という数式は、逆ポーランド記法では「1 2 +」と書かれるが、これは日本語では「1と2を足す」と表現するものと同じである。

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