音読み
読み:おんよみ
漢字の読み方の一つ。元々支那で読まれていた読み方。
概要
古来、文化が海を渡ってやってきたとき、その支那語の音を日本語にしたものが音読みとなっている。
大きく区分けて、次の三つがある。
- 呉音 ‐ 呉の言葉で読まれた音
- 漢音 ‐ 唐代の長安地方の言葉で読まれた音
- 唐音(もしくは宋音) ‐ その後時代が下り、鎌倉以降に伝わった音。数が少ない
なお、日本語の通例として、訓読みと区別する際には音読みはカタカナで示す。
特徴
呉音
まず日本に入ってきたのが、呉音である。
支那南北朝時代の南朝の発音であるが、この頃日本では南朝を「呉」(くれ)と呼んでいたために、「呉音」と呼ばれるようになった。
呉音は、東支那半島(朝鮮半島)にあり倭国と関係が深かった百済から伝わった漢字の読み方である、とする説が有力である。但し現時点においても、それを実証するだけの史書は発見されていない。
漢音
その後日本が遣隋使、遣唐使を送る時代になると、支那の長安の発音が伝えられた。
これが本当の支那の発音であるということから漢音と呼ばれるようになり、平安時代の792(延暦11)年に桓武天皇はこれを正式な字音にするよう勅命を下すが、既に呉音も広く普及していたので、日本では呉音と漢音が併存することになった。
他国の例
同じ漢字文化を持つ朝鮮やベトナムでは、一字一音の原則が存在する。
但し、朝鮮語の場合、特に南鮮では語頭のr音をきちんと発音しないという言語的特徴があるため、これを理由として一字一音の原則は破られている。なお、現代の北朝鮮では語頭のr音をきちんと発音しているようである。
音の差
呉音・漢音・唐音の差は、次の通りである。
- 「行」いく
- 呉音: ギョウ
- 漢音: カウ(コウ)
- 唐音: アン
- 「頭」あたま
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- 「明」あかるい
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