水掛け |
辞書:文化用語の基礎知識 民俗学東洋・仏教用語編 (LFOLKEBY) |
読み:みずかけ |
品詞:さ変名詞 |
仏像や神像に対して水を掛ける儀式。
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概要 |
仏像や神像などに水を掛ける行為は、宗教・宗派を問わず、世界各国に見られる。
その目的も様々であるが、多くは、像の埃や汚れを落としたりして清めることを目的とする儀式であり、水を掛ける行為は「お清め」を意味することが多い。
また水は、生きとし生けるもの全ての命の元になる大切なものであり、それをお供えしていたものが、いつしか直接像に掛けられるようになったともされる。
特徴 |
日本仏教 |
日本では、地蔵や観音、不動尊などに水を掛ける儀式をすることが多い。
全国に、様々な水掛地蔵や水掛不動尊が祀られている。
地蔵 |
地蔵菩薩が子供を守るとされることから、子供の無病息災を祈るためのお祭りの一環として、地蔵へのお清めや供養などを目的とした水掛けが行なわれることがある。
また地蔵菩薩が水子供養の本尊であるため、水子を供養するためにも行なわれることがある。これは本来、子供を水子にしてしまった親が水をかぶって「禊ぎ」をするところを、代わりに地蔵に被ってもらうとする説もある。
地蔵への水の掛け方も様々だが、柄杓で優しく掛けるところから、長崎県の水掛け地蔵まつり「江迎千灯籠まつり」のように、容赦なく水を掛け続け、さらに消防用のホースまで持ち出して放水するような豪快な水掛けまでがある。
不動尊 |
不動尊すなわち火を象徴する神様である不動明王に水を掛ける根拠は定かではないが、元々は水はお供えもので、それを直接掛けて願掛けをするようになったことが由来とされている。
作法は寺社により異なる可能性が高いが、一般論としては、病気平癒や煩悩滅尽その他様々な請願をしながら、水を掛けるのが望ましいものと思われる。
水掛不動尊の代表は大阪千日前にある法善寺のもので、水を掛け続けた結果、像全体をびっしりと緑色の苔が覆うようになった。その姿からは、多くの人々が水を掛け、願いを込めて来た歴史の長さが偲ばれる。
リンク |
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